最低賃金千円超8都府県 半数が目安上回り最大7円 44都道府県まとまる

 2023年度の最低賃金を決める各都道府県の地方審議会で、今の時給が千円超の東京、神奈川、大阪に加え、千葉、京都など5府県が千円を超す改定額となったことが共同通信の集計で15日分かった。山形、佐賀、長崎を除く44都道府県が既に決定。国の審議会は都道府県ごとに39~41円増額する目安額をまとめたが、半数近くの21県が目安額を上回った。うち2県は7円上乗せした。厚生労働省によると、7円は現行方式となった02年度以降、最高の上乗せ額。

 目安額は経済状況に応じて都道府県をA-Cの三つに分けた上で、上げ幅をAランクは41円、Bランクは40円、Cランクは39円とした。

 目安超えは地方で顕著で、ほかの地域との人材獲得競争や物価高が背景だ。今週中に全ての都道府県で出そろう見込み。

 最低賃金は全ての労働者に適用される賃金の下限額。目安額を踏まえ、地方審議会が話し合い、実際の金額を決める。10月ごろから適用される。

 集計によると、新たに千円超となった5府県では、埼玉が1028円、千葉が1026円、愛知が1027円、京都が1008円、兵庫が1001円。このうち千葉、兵庫が目安額に1円ずつ上乗せした。

 7円上乗せしたのは鳥取、島根。青森、熊本、大分が6円、秋田、高知、宮崎、鹿児島が5円、愛媛、沖縄が4円、福井が3円上乗せした。2円は3県、1円は6県。23都道府県は国の目安額と同じだった。目安額を下回る地域はなかった。

 7円上乗せした鳥取県(Cランク)は現在854円。39円の目安額に7円上乗せする46円の引き上げを決め、900円とした。最低額は国の目安通り39円引き上げた岩手(Cランク)の893円。最高は目安通り41円上げた東京(Aランク)の1113円。

 国の中央最低賃金審議会は7月、物価高騰を反映し、全国加重平均1002円に引き上げる目安額をまとめていた。現在の961円から41円増で、02年度以降、最大の増加幅となった。

 (共同通信社)