育児中の柔軟な働き方支援 最大25万円、中小企業に 政府、引き継ぎ手当拡充

 政府は、子育て中の従業員に時差出勤など柔軟な働き方を複数用意し、選べる制度を導入した中小企業を支援する方針を固めた。利用する従業員1人当たり最大25万円を補助する。育児休業を取得している人の仕事を引き継ぐ同僚向けの「応援手当」も中小企業への補助金を拡充する。関係者が12日、明らかにした。
 子育てと仕事を両立しやすい職場づくりを中小企業に促し、少子化対策につなげる狙い。厚生労働省が2024年度予算の概算要求に関連費131億円を盛り込んだ。
 働き方の選択制の導入支援では、主に小学校入学前の子どもがいる従業員を想定。テレワークや柔軟な休暇の取得など3種類以上を用意した場合、1人当たり25万円を支給する。2種類なら20万円。既存の「両立支援等助成金」に新たなメニューを設け24年度中にスタートさせ、対応を促す。
 厚労省は今後、子育て中の人向けの働き方選択制を企業に義務付けたい考え。24年通常国会への育児・介護休業法改正案の提出を検討している。
 育休取得者の仕事を引き継ぐ同僚への手当に関し、現在の育休取得者1人当たり10万円から、肩代わり期間に応じて最大125万円に増額する。
 また、子育てのため短時間勤務をしている従業員を巡り、同僚に応援手当を出す中小企業を対象にした支援策も新設。仕事を引き継いだ期間に応じて、最大110万円支給する。
(共同通信社)