講座概要
働き方改革の一環として政府は副業を解禁したことを受け、会社としてどのように対応していくか検討中の企業は多いと思われます。厚生労働省では、企業が労働者の主体的なキャリア形成を促進する観点から「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を公表して副業を推進しており、副業を解禁していないもしくは消極的な姿勢だと柔軟な働き方ができない企業として人材確保等にも影響を与えかねません。
本講座では、ガイドラインの内容を理解するとともに、そもそも副業をどこまで会社が制限できるのかも踏まえて、自社の方針を決定し、制度設計、規程作成までを解説します。さらには、副業の際に問題となる社会保険の手続きについても確認します。複雑な労働時間管理や副業の範囲などにも触れ、副業全般について1日で理解が深まる内容に仕上げています。
※WEB受講でご参加の場合は、お申込み前に必ず下記のURLをご確認のうえで、お申込みください。
https://www.rosei.jp/seminarstore/seminar/deliveru
【本講座のポイント】
①副業・兼業の基本的な考え方がわかります
②副業・兼業を自社で導入する際の留意点とポイントが整理できます
③規程作成によってルールを明確化し、トラブルを未然に防ぐことができます
講座内容
Ⅰ 副業・兼業のメリットデメリット
1.制度目的とどこまで幅広く認めるか?
2.副業・兼業制度導入までのステップ
Ⅱ 副業・兼業の促進に関するガイドライン
1.会社は副業を禁止できるものなのか?
2.会社は副業を許可制にできるものなのか?
3.許可申請せずに副業をしていた場合、懲戒できるか?
4.ケーススタディ このようなケースは許可していいのか?
・有給休暇取得日の副業、法定休日の副業
・業務委託のみ許可する副業
5.副業時の労働時間
・労働時間の把握と通算
・フレックスタイム制度のケースの通算
・36協定の通算 その他、法令上の労働時間の通算
・管理モデルとは?
・休憩・休日・有給休暇の考え方
Ⅲ 自社における副業・兼業制度構築のステップ
1.自社における業務命令との関係性
・副業を認めると時間外命令はできないのか?
・転勤命令はできないのか?
2.安全配慮義務と機密漏洩対策
3.誓約書と報告書等の書面作成
4.副業・兼業規程のポイント
Ⅳ 副業・兼業時の社会保険
1.労災保険と長時間労働
2.雇用保険のマルチジョブホルダー制度
3.社会保険の二以上事業所勤務届
講師プロフィール
多田国際社会保険労務士法人 代表社員 特定社会保険労務士
多田 智子 氏
多田国際社会保険労務士法人 代表社員 特定社会保険労務士
多田 智子 氏
【略歴・著書】
大手製薬会社に勤務後、平成14年8月社会保険労務士事務所設立、平成18年3月法政大学大学院イノベーションマネジメント専攻にてMBA取得、同校にて修士論文「ADR時代の労使紛争」が優秀賞を受賞、平成23年海外進出企業労務コンサルティング事業部開設、海外進出企業への海外赴任規程コンサルティングを得意とする。主な著書に『改正 労働基準法がすっきり分かる本』(ソーテック社)ほか多数