講座概要
近年、米国の労働組合運動が活発化している。スターバックスやアマゾンをはじめ、さまざまな業種で労働組合が組織化される一方で、ストライキを背景に高い賃上げが実現している。本講座では、米国における組合化のプロセスや労働者の労働組合法上の団結権の内容など米国労働組合法の基礎を解説します。また、民主党のバイデン政権下で行われてきた労働組合支援政策によって何が変わったか、今後さらにどのような変化が予想されるかを紹介します。
本講義は、Zoom(ウェビナー)を利用してWebで配信いたします。
ご参加に伴い下記URLをご確認ください。
https://www.rosei.jp/seminarstore/seminar/zoom
【本講座のポイント】
①最近のUAWとデトロイト3との労使交渉とストライキ/UPSとTeamstersとの交渉等を紹介します
②組合化を誘うきっかけや原因を理解し、組合組織化活動の初期兆候を見逃さないための必要な注意が理解できます
③組合化を防ぐために会社ができること、なすべきことは何か。また逆に禁止されていることは何かが整理できます
講座内容
Ⅰ National Labor Relations Act (NLRA、全国労働関係法) と National Labor Relations Board (NLRB、全国労働関係委員会) の役割
1.NLRA上の組合化のための手続き
2.NLRB選挙の実施要領
3.Appropriate Unit (投票権者の範囲)に関する動向
Ⅱ バイデン政権下における新法制定の目論見とNLRBの動向
1.The Protecting the Right to Organize Act(“PRO Act”、団結権保護法)
2.NLRBのGeneral Counsel(法務責任者)の方針表明
3.就業規則に関するNLRBの最近の決定
Ⅲ 最近の労働組合の動向
1.UAW(全米自動車労働組合)によるテネシー州チャタヌーガのフォルクスワーゲン(VW)の組合化の動き
2.メルセデス・ベンツのタスカルーサ工場におけるUAWの選挙
3.ニュージャージー州サマセットのニッサンの部品配送センターでの組合否認選挙
4.テネシー州スマーナのニッサン工場におけるIAMによる組合化活動
5.2022年以降の組合選挙申請数の増加
Ⅳ NLRA上の労働者の権利と労働者の範囲
1.Section 7 Rights(労働者の団結権)の定義
2.組合員の範囲
3.認められるConcerted Activities(集団行動)の例
Ⅴ 米国の労働組合と日本の労働組合の本質的な違い
1.米国の組合の何が問題か
2.組合化に潜む危険
3.2023年のUAWによるデトロイトの自動車会社に対するストライキ
4.2023年の組合交渉による賃金、ベネフィットの上昇例
Ⅵ 米国の子会社の組合化を防ぐために
1.組合の組織化キャンペーン中に会社が注意しなければならないこと
2.会社が言ってよいこと、なすべきこと、許されていること
3.会社がしてはならないこと
4.組合化を誘うきっかけや原因
5.組合組織化の兆候を見逃さない
6.日系米国企業の組合化を誘う要因
7.組合化を防ぐために今から準備できること
8.Structured Positive Employee Relations Program (従業員の参加を促すプログラムの構築)
講師プロフィール
オグルツリー・ディーキンス法律事務所 インディアナポリス事務所 インディアナ州弁護士 (1996年) ワシントン州弁護士 (2021年)
本間 道治 氏
オグルツリー・ディーキンス法律事務所 インディアナポリス事務所 インディアナ州弁護士 (1996年) ワシントン州弁護士 (2021年)
本間 道治 氏
【略歴】
一橋大学社会学部卒業。三井不動産入社。人事部門、広島支店マンション開発担当、社長・会長秘書、秘書室課長、都市開発事業企画課長等を経験し、1991年同社退職。1991年8月、シンシナティ大学ロースクール入学、1994年12月卒業、2002年8月からオグルツリー法律事務所に所属。これまで、日米両国で1100回以上、雇用法等に関するセミナーの講師を務める。著書『40歳からの米国での挑戦 - 米国で弁護士を目指す』Amazonから出版。