講座概要
「時間外労働の上限規制」や「同一労働同一賃金」に代表される働き方改革関連法やポストコロナに対応するため、企業は従業員の勤務形態や待遇の見直しが急務になっています。しかし、旧制度や運用の変更では「労働条件の不利益変更」の問題が発生することがあります。本講座では、労働条件の変更の中でも「不利益変更」に着目し、従来とは異なるアプローチで解決策を提示し、「附則」や「経過措置」の作成方法をまとめたハンドブックを用いて解説します。
※WEB受講でご参加の場合は、お申込み前に必ず下記のURLをご確認のうえで、お申込みください。
https://www.rosei.jp/seminarstore/seminar/deliveru
【本講座のポイント】
①就業規則・労働協約・労働契約書で異なる変更スケジュール・注意点を整理
②就業規則の不利益変更や変更内容への合意・同意以外の対応方法をマスター
③紛争リスクを軽減する「変更の根拠規定」と「附則の経過措置」の作り方
講座内容
就業規則の不利益変更の議論だけで大丈夫? 実践的なリスク回避策を検討
『労働条件の見直し・不利益変更をめぐる諸問題』【半日】
~ポイントは「変更の根拠規定」と「附則の経過措置」~
<主な内容>
Ⅰ 総論 ~不利益変更へのアプローチ~
1.就業規則・労働協約・労働契約書で異なる注意点・スケジュール設定
2.裁判を想定して残しておくべき資料(証拠)
3.起こしがちなミス
Ⅱ 不利益変更に関する企業側の説明方法
1.労働組合・従業員代表への説明方法
2.「社員説明会」と「個別面談」による変更への合意・同意
3.経過措置・代償措置を提案するタイミング
Ⅲ 事前に盛り込む「変更の根拠規定」とは
1.昇給・賞与・定額残業代は「固定化」を回避
2.契約更新時における労働条件の見直し規定
3.新制度に盛り込む「期間限定」「施行後の見直し」
Ⅳ リモート勤務・在宅勤務をめぐる問題
1.制度設計~対象者・通信費負担・通勤費の取り扱い~
2.制度変更の方法
・制度設計,個別申請によるトラブル回避
Ⅴ 同一労働同一賃金をめぐる問題
1.正社員の待遇変更 ~手当の統合・休暇の見直し~
2.非正規社員の待遇変更 ~シフト削減・基本給引き下げ~
3.定年後再雇用者の待遇設定
Ⅵ よくあるミスを紹介
1.休日・休暇の区別と「所定労働日数・時間」との関係
2.手当の変更・統合で注意する「波及効果」
3.定年退職時を基準にした賃金設定の問題点
講師プロフィール
中山・男澤法律事務所 パートナー 弁護士
高仲 幸雄 氏
中山・男澤法律事務所 パートナー 弁護士
高仲 幸雄 氏
【略歴・著書】早稲田大学法学部卒業。平成15年弁護士登録、中山慈夫法律事務所(現中山・男澤法律事務所)に入所。国士舘大学21世紀アジア学部非常勤講師。主な著書に『実務家のための労働判例読みこなし術』(労務行政)、『優秀な社員を確保できる人事労務制度使いこなしマニュアル』(中央経済社)、『Q&A解雇・退職トラブル対応の実務と書式』(新日本法規/共著) ほか多数