公開日 2008.12.15 あした葉経営労務研究所
●労働基準法7条は、労働者が選挙権その他の公民としての権利の行使や公の職務を執行することを保障するために、必要な範囲で労働義務の免除を使用者に命じ、労働時間であっても労働者が主権者たる国民としての権利を行使できることを保障している。
●「公民」とは「国家または公共団体の公務に参加する資格がある国民」のことをいう(昭63.3.14 基発150)
●「公民としての権利」とは公職選挙の選挙権・被選挙権、最高裁判所裁判官の国民審査、特別法の住民投票等である。
●「公の職務」とは議員、労働委員会の委員、裁判や労働委員会の証人等をいう(昭63.3.14 基発150)。また、平成21年より導入される刑事裁判の裁判員の職務もこれに該当することとなる。
●労働時間中に公民権行使のための時間を付与した場合、その時間の賃金については労働基準法上の定めはないため、有給または無給とするかは当事者の取り決めに委ねられる。ただし行政指導では、選挙権行使による遅刻・早退について賃金の差し引きを行わないよう要請している(昭42.1.20 基発59)。
(あした葉経営労務研究所 代表/株式会社キャリア・ブレーン 認定キャリア・コンサルタント 本田和盛)