公開日 2009.02.06 あした葉経営労務研究所
●労働契約を締結した労働者は、労働力を提供するという本来の契約義務以外にもさまざまな義務を負う。これを「付随義務」という。この付随義務の一つに、「使用者の正当な利益を不当に侵害しないよう配慮する義務」がある。これが誠実義務である。
●労働契約においては、その継続的・人的性格から、当事者間における信頼関係の構築が重要とされ、双方が相手方の利益を不当に侵害しないように配慮し、誠実に行動することが求められる。
●労働者が負うべき誠実義務には、使用者の信用・名誉を毀損しない義務、二重就業禁止義務、秘密保持義務、競業避止義務がある。
●これらの誠実義務に違反した労働者に対して、解雇等の懲戒処分や、場合によっては損害賠償を請求することもあり得る。ただし就業規則等にその旨が、明確かつ具体的に規定されていることが必要である。
■関連用語
労働契約
二重就業の禁止義務
秘密保持義務
競業避止義務
(あした葉経営労務研究所 代表/株式会社キャリア・ブレーン 認定キャリア・コンサルタント 本田和盛)