公開日 2011.03.01 深瀬勝範(社会保険労務士、人事コンサルタント)
社内ベンチャー制度(しゃないべんちゃーせいど)
会社が、社員や事業部門に出資して、ベンチャー企業を設立させる仕組み。会社側には、新規事業や成長性の高い事業への進出を図れる、社員の挑戦意欲を喚起し組織の活性化を図れる等のメリットがある。一方、社員や事業部門側には、社内では実行しにくい事業でも自由に行える、低リスクでベンチャー企業を設立することができる等のメリットがある。
社内ベンチャー制度は、次のような流れで行われる。
① 社内から事業のアイデアを募集する。応募があったアイデアを経営層で審査し、社内ベンチャーとして認定する事業を決定する。
② 会社が出資してベンチャー企業を設立する。アイデアを応募した社員等は、そのベンチャー企業へ出向し、経営陣となって事業を主体的に推進する。
③ 事業が軌道に乗ってきたら、社員は元の会社を退職してベンチャー企業の経営者になる。なお、一定の期間内に事業がうまく立ち上がらなかったら、会社はベンチャー企業を解散する等の処理を行う。
社内ベンチャー制度は、主にメーカーが社内技術を活用するために運用する仕組みであったが、最近は、大手商社やサービス業がネットビジネス等に参入する際に、この制度を用いている。