早期退職優遇制度

公開日 2011.03.01 深瀬勝範(社会保険労務士、人事コンサルタント)

早期退職優遇制度(そうきたいしょくゆうぐうせいど)

定年前に退職する社員に対して退職金加算等を行う制度で、会社において恒常的に実施されているものをいう。

雇用調整の一環として時限的に実施される希望退職とは異なり、早期退職優遇制度は、中高齢者が定年を待たずに自らの意思で退職しやすい環境を整えて、社員が第二の人生を歩むことを会社として支援すること、及び組織の若返りを図ることを、その目的としている。雇用調整策と混同されないように、「選択定年制度」や「セカンドキャリア支援制度」等の前向きな名称をつける場合も多い。

退職事由は「自己都合退職」となるが、退職金の算定においては、会社都合退職と同様の支給率を適用するケースも多い。

社員の高齢化に伴い、ポストが不足し、人件費負担が重くなってくる中で、大企業を中心に、この制度を導入するところが増えている。

労務行政研究所が実施した「早期退職優遇制度・希望退職制度、転職支援施策に関する実態調査」(2009年)によれば、早期退職優遇制度を実施している企業は29.4%であるが、そのうち従業員1000人以上の企業における導入率は50.0%、300~999人では27.7%、300人未満では11.8%となっており、規模による格差が鮮明になっている。