公開日 2007.08.02 プライスウォーターハウスクーパース株式会社
●職能給とは、各人に求められる能力の高さを定義して、それにより格付けを行う「職能等級(職能資格)」に基づいて支払われる給与である。
●職能等級とは、担当している仕事ではなく、仕事をする能力の高低により等級を定義した制度である。職能給は、職能等級ごとに決められた給与のことで、例えば3等級の人の「職能給」は、○○~▽▽円という範囲(上限と下限)で設定される。
●能力は、仕事を変えても変わらないとみなされることが多いので、職能給が異動などで変化することが少なく、その点で
①従業員にさまざまな職務を経験させることができる
②人材の異動も柔軟に行うことができる
――というメリットがある。
●反対に、職能等級制度自体が「役職に関係なくやる気をもってもらおう」という平等主義の発想から来ているので、年功的に運用されがちになり、結果として職能給は毎年上昇していくことになるなど、人件費の高騰を招く可能性がある。
●職能等級を採用している組織では、職位(ポジション)と併用している場合が多く、その際は各等級ごとに、就くことのできる役職が複数あるように設計することで柔軟に運用できる。