インフォーマル・グループ

公開日 2011.07.07 深瀬勝範(社会保険労務士、人事コンサルタント)

インフォーマル・グループ(いんふぉーまるぐるーぷ)

 職務内容や指示命令系統に基づいて構築される組織(フォーマル・グループ)とは別に、日常的な付き合いや仲間意識等を通して組織構成員の間で自然発生的に形成される集団のこと。その組織の生産性に大きな影響を与えるものと考えられている。

 インフォーマル・グループに対する関心の高まりは、1924年から32年にかけて行われたホーソン実験に端を発している。メイヨー(George E.Mayo)らがアメリカのウエスタン・エレクトリック社ホーソン工場にて行ったこの実験では「作業能率は、労働条件や作業環境よりも労働者の心理状態から大きな影響を受けており、また、労働者の心理状態は、組織内に形成されたインフォーマル・グループによって左右される」との結論に達した。この考え方は、それまでの主流であったテイラー(Frederick W.Taylor)らによる科学的管理法に異を唱えたもので、その後、多くの者が研究を重ねて「人間関係論」として発展していった。

 日本企業でも、職場におけるインフォーマル・グループの形成を促進する施策がとられている。例えば、小集団活動やレクリエーション活動を通じて、労働者の帰属意識や協働意欲を高めること等が、これに該当する。