公開日 2011.10.03 深瀬勝範(社会保険労務士、人事コンサルタント)
内発的動機付け(ないはつてきどうきづけ)
やる気を高める要素(動機付け)のうち、報酬や地位のように外から与えられる刺激によるもの(外発的動機付け:extrinsic motivation)ではなく、仕事の面白味や目標達成の喜びのように仕事自体に内包されているもの(intrinsic motivation)をいう。
外発的動機付けによって仕事をしている場合は、報酬や地位を得るなどの目的を達成すると、その途端に意欲を低下させてしまうが、内発的動機付けによる場合は、仕事をすること自体が目的となっているため、目的を達成しても意欲は低下しないものと考えられている。
アメリカの心理学者エドワード・デシは、内発的動機付けの本質は次の三つにあるとしている。
(1)自分の行動を自分で決める「自己決定感」
(2)自分が役に立っていることを認識できる「有能感」
(3)重要な他者からの受容感を得る「対人交流」
日本においては、2000年以降、成果主義導入によって外発的動機付けを強めたことが、従業員のモチベーション低下を招いたケースが多数発生したことから、仕事のやりがいや達成感などを重視する内発的動機付けが注目されるようになった。