公開日 2011.11.21 深瀬勝範(社会保険労務士、人事コンサルタント)
アファーマティブ・アクション(あふぁーまてぃぶ・あくしょん)
社会的な要因による差別で不利益を被っている者に対して、実質的な機会均等を実現することを目的として講じる暫定的な措置のこと。
例えば、アメリカでは、大学の入学試験や会社の採用選考において、これまで差別を受けてきた少数民族(マイノリティ)の人々を積極的に選抜、登用するために、特別な優先枠を設けることがある。このような社会的差別の是正措置、あるいはそれを推進する具体的な行動計画が、アファーマティブ・アクションである。
欧米では1960年代から存在していた考え方で、雇用や教育面等で広く浸透している取り組みではあるが、最近では「特定の人々に優遇措置を講じることは、その恩恵を享受できない人々に対する逆差別となる」という批判も強い。
日本におけるアファーマティブ・アクションは、固定的な役割分担意識から生じている男女労働者間の処遇格差を積極的に是正しようとする取り組み(例えば、女性管理職比率の目標値を定めて、女性を積極的に管理職に登用すること)として行われているものが多い。なお、このような取り組みは一般的に「ポジティブ・アクション」と呼ばれるが、「アファーマティブ・アクション」は、これとほぼ同じ意味を表す言葉である。