神垣あゆみ かみがきあゆみ/ライター
社内向けのメールと社外向けのメール。使い分けはできていますか? どちらも最低限の礼儀をわきまえることが基本。そのうえで、社外向けのメールの場合は特に、「他社」の相手に失礼のない言い回しと配慮が必要です。
社外向けのメールを書く際に押さえておきたいポイントを、「宛名」「書き出し」「自分の名前」「本文」「結び」「署名」の6つのパーツ別に紹介します。
1.宛名
相手の社名と名前を最初に明記します。所属や役職も分かる範囲で書きます。
相手の個人名が分からない場合は、社名または部署名に敬称の「御中」を付けます。
例)
ジンジュール株式会社 御中
ABC商事 人事部 御中
個人名が特定できる場合は「名前+様」を使うので、「御中」と「様」を併用することはありません。混同しないように気をつけましょう。
2.書き出し
初めてメールを送る相手に「いつもお世話になっております」という書き出しは不適切です。「はじめまして」「このたびはお世話になります」「突然、メールをお送りして失礼いたします」といったフレーズを使いましょう。
3.自分の名前
書き出しの挨拶の後、自分の名を名乗ります。初めてメールを送信する相手には、社名、所属部署、担当している仕事内容などを簡単に伝え、素姓を明らかに。
4.本文
本文には、伝えるべき用件を簡潔にまとめます。1通のメールに1つの用件が原則。複数の用件を1通のメールに詰め込まないように注意を。
5.結び
ビジネスメールの結びの定番フレーズが「よろしくお願いいたします」。この前文に「ご対応のほど」「今後とも」「引き続き」などをひと言添えて変化をつけましょう。「取り急ぎ」も便利に使えるフレーズですが、「取り急ぎご連絡まで」の「ご連絡」を「ご報告」「お知らせ」「お礼」などに変えてアレンジできます。
6.署名
署名の要素としては、社名、部署名、名前、メールアドレス、電話番号、FAX番号、自社サイトのURLが挙げられます。特に、メール以外の伝達手段として使用頻度の高い電話番号は、省かず記載しましょう。住所を記載する場合は、郵便番号も添えておくと親切です。
「会社 対 会社」でメールのやりとりをする社外向けメールの場合、自社のことや自社の社員の呼称と、相手の会社や役職の呼称は異なります。
例えば、自社のことは「弊社」「当社」と表記しますが、相手の会社のことは「貴社」「御社」と表記します。自社のことを「うち」、相手の会社のことを「そちら」「おたく」などと表記するのは失礼にあたるので注意しましょう。
神垣あゆみ(かみがきあゆみ)Profile ライター 広島を拠点に官公庁冊子や企業の記念誌、社内報、PR誌の編集・制作に携わる傍ら、メールマガジン「仕事美人のメール作法」を配信。『メールは1分で返しなさい!』(フォレスト出版)など、メールマナー関連の著書多数。 |