2011年05月02日掲載

好印象で仕事上手! ビジネスパーソン メール術【神垣あゆみ】 - 社内向けメールの基本スタイル-要点をきちっと押さえて簡潔に:ビジネスパーソン メール術(2)

好印象で仕事上手! ビジネスパーソン メール術(2)
神垣あゆみ かみがきあゆみ/ライター

社内向けのメールの場合、最低限の礼儀をわきまえたうえで、社外向けのメールに比べ、より内容重視で、簡潔にまとめることが求められます。儀礼的な挨拶や言い回しは避け、伝達すべき要件を結論から先に書きましょう。

社内向けのメールを書く際に押さえておきたいポイントを、「宛名」「書き出し」「自分の名前」「本文」「結び」「署名」の6つのパーツ別に紹介します。

1.宛名

相手の部署、役職、名前を明記します。社内に同じ姓の社員がいる場合もあるので、部署名や役職を添えておくと、誤って送信した場合に間違いであることに気づきやすくするためです。「部長」「課長」などの役職や「各位」はそれだけで敬称となるので、後に「さん」「様」「殿」を付ける必要はありません。

例)
× 佐藤部長様
佐藤部長

× 関係各位殿
関係各位

2.書き出し

社内向けのメールの場合、儀礼的な挨拶や長々とした前置きは不要。すぐに本題に入りましょう。社内メールの書き出しの定番フレーズは「お疲れさま」です。「ご苦労さま」は目上から目下の相手に使う言い回し。部下が上司に対して使うと失礼になるので注意しましょう。

3.自分の名前

社内宛てのメールでも、自分の部署と名前は必ず記載するようにしましょう。社内に同じ姓の社員がいる場合、部署名があれば区別がつきます。

4.本文

社内向けのメールの場合は特に、儀礼的、形式的な文言は省き、必要な用件だけを簡潔に述べることが重要。箇条書きや「●」「→」「↓」などの記号をうまく使い、ひと目で内容が理解できる読みやすい“見た目”を工夫します。

5.結び

返信が必要な場合は、その旨を明記しておきましょう。「○月○日10時までにご返信をお願いいたします」と期日を明らかにしておくと、相手からの返信もより確実になります。

6.署名

社内宛てのメールの場合も名前だけでなく、メールアドレスや内線番号など、最低限必要な連絡先を署名に記載を。社外用とは別に社内用の署名があると便利。

社内メールの場合、礼儀をわきまえた文章を書くことは大切ですが、丁寧さを重んじるあまり、必要以上に敬語を使いすぎるのは考えもの。「ご案内させていただきます」のように「~させていただきます」というフレーズが社内メールにもよく使われますが、これは「~いたします」としても差し支えありません。

例)
× ご案内させていただきます
ご案内いたします

× 経過報告をさせていただきます
経過をご報告いたします

敬語は長ければ丁寧というものではなく、その場に応じた適切な言い回しを使い分けることが大切です。

《ワンポイント》上司宛ての社内メールの宛名---上司宛ての社内メールの宛名は「佐藤部長」のように「名前+役職」が基本。役職名=敬称なので、「佐藤部長様」という書き方をすると敬称がだぶってしまいます。一方、社外の相手に宛てたメールで上司のことを書く場合は「部長の佐藤が…」「弊社課長の鈴木が…」のように「役職+名前」とし、「佐藤部長さんが…」のように役職の後に「さん」付けしないように注意しましょう。

神垣あゆみ(かみがきあゆみ)Profile
ライター
広島を拠点に官公庁冊子や企業の記念誌、社内報、PR誌の編集・制作に携わる傍ら、メールマガジン「仕事美人のメール作法」を配信。『メールは1分で返しなさい!』(フォレスト出版)など、メールマナー関連の著書多数。