神垣あゆみ かみがきあゆみ/ライター
好印象を与えるメールの必須条件は「読みやすさ」です。ところが、表現に気を遣い、丁寧に一生懸命書いたつもりでも、知らず知らずのうちに嫌われるメールになっていることも…。あなたのメールは、大丈夫ですか?
「長い」「あいまい」「読みづらい」が嫌われるメールの三要素です。相手に迷惑がられたり、嫌われたりしないメールにするための対策を紹介します。
●対策1:「長い」メールにしないために、適度に文を切る
詳しく伝えよう、丁寧に書こうと、書くことに集中するほど、言い回しや表現に気を取られてメールが長文となり、本来、伝えるべき用件が分かりにくくなっていく…という経験はありませんか?
「が」「~なので」「~だから」を繰り返し使うと、文がだらだらと長くなるので注意しましょう。丁寧に表現しようと、「~させていただきます」などの過剰な敬語表現を多用するのも、文を無駄に長くしてしまいます。
一文が長くなるほど要点がぼやけ、回りくどくなるので、何を述べたいのかが相手に伝わりにくくなります。
例)
× お手数をおかけして大変申し訳ありませんが、着払いで構いませんので、
弊社あてにご返送をお願いできればと思いますので、
どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
◎ お手数をかけ、大変申し訳ありません。
弊社あてに着払いにてご返送をお願いいたします。
長文メールにしないためには、結論から先に述べることも重要です。相手が最も知りたいこと、相手に最も伝えたいことを最初に述べます。次に、その理由を挙げ、さらに詳細を述べることで結論とその理由を補足します。「結論⇒理由⇒詳細」という文の運びを意識して、メールを書くとよいでしょう。
●対策2:「あいまい」なメールにしないために、数字を使い具体的に書く
「だいたい…くらい」「多分…だと思います」「おそらく…じゃないですか」という漠然とした表現は誤解を招きやすく、トラブルの元。こうした「あいまい」なメールも要注意です。
対策としては、時間、日時、量、広さ、大きさなど、意識的に数字を使って表記します。全体像がイメージしやすく、具体的に相手に伝えることができます。
× 大勢の来場者
◎ 2400人の来場者
× 来月の初めごろまでに
◎ 6月10日 11時までに
× たくさんの問い合わせ
◎ 通常の2倍の問い合わせ
●対策3:「読みづらい」メールにしないために、だれにでも分かるやさしい表現を
間接的で回りくどい表現、難解な用語や専門用語の多用は、読む側に負担やストレスを与え、「読みづらい」メールの原因になっています。語り過ぎ、省略し過ぎは意図が明確に伝わりにくく、遠慮し過ぎ、気の回し過ぎも読む側を疲れさせます。一度読めば、内容がすっと理解できる、明快・明瞭な表現を心掛けましょう。
× 漸次減少傾向にある
◎ 次第に減る傾向にある
× なるはやで
◎ できるだけ早く
神垣あゆみ(かみがきあゆみ)Profile ライター 広島を拠点に官公庁冊子や企業の記念誌、社内報、PR誌の編集・制作に携わる傍ら、メールマガジン「仕事美人のメール作法」を配信。『メールは1分で返しなさい!』(フォレスト出版)など、メールマナー関連の著書多数。 |