~接続詞でダラダラとつなげず、シャキッと歯切れのよいメールに~
神垣あゆみ かみがきあゆみ/ライター
接続詞でダラダラとつなげたメールは、読みづらく、要点がつかめません。新聞記事が読みやすいのは、接続詞があまり使われていないからです。ムダな接続詞の使用は避け、用件が伝わる歯切れのよい文章を目指しましょう。
●使ってしまいがちな接続詞
「そして」「それから」「だから」「また」「および」といった接続詞は、つい使ってしまいがちですが、省いても十分意味は通じます。
× 午後からA社に行きました。そして、打ち合わせをしました。それから、新製品の件で同社の佐藤部長から、B社をご紹介いただきました。だから、明日早速伺ってみようと思います。また、今日、B社をご紹介いただいた佐藤部長には改めてお礼に伺うつもりです。
○ 午後からA社で打ち合わせの後、新製品の件で同社の佐藤部長からB社をご紹介いただきました。明日、早速伺ってみようと思います。
今日、B社をご紹介くださった佐藤部長には、改めてお礼に伺うつもりです。
メールを書き終えたら、無駄な接続詞はないか、同じ接続詞を続けて使っていないかに注意して、読み返してみましょう。上記のように、省略できる接続詞があるはずです。
●重ねて使いがちな接続助詞
「ので」「が」「ため」「して」「で」などの接続助詞も多用は禁物です。「このため、△△していましたが、□□になったので…」と接続助詞は重ねて、長々と文が続いていくのは読みづらく、疲れます。
× 納期が予定より遅れて申し訳ありませんが、できるだけ早く、商品をお送りしたいという思いで最善を尽くしておりますので、しばらくの間お待ちいただきますようお願い申し上げます。
○ 納期が予定より遅れ、申し訳ございません。できるだけ早く、商品をお送りできるよう最善を尽くしております。納品まで、今しばらくお待ちいただきますようお願い申し上げます。
特に、お詫びの言葉は「申し訳ありませんが」と接続助詞「が」で文をつなげてしまうと、軽々しい印象を与え、真意が伝わりません。一度文章を切って、お詫びの一文として完結させましょう。
●注意が必要な「なので」と「あと」
話し言葉だけでなく、書き言葉でも目にすることが多くなったのが「なので」です。メールでも、私信にとどまらず、ビジネスのやり取りに使われることが増えてきたように感じます。
もともとは「AなのでBです」と、前の文と後の文をつなげる助詞ですが、「なので、○○してください」と、いきなり文頭に用いて「接続詞」のように使われ始めています。
使い勝手がよいからと、「なので、○○してください」「なので、お願いします」と仕事のやり取りに安易に使うのは避けましょう。代わりに、「ですから」「だから」「そのため」と言い換えるほうが好ましい印象を与えます。
× なので、日程が変更になりました。
○ そのため、日程が変更になりました。
「なので」と同様に目にするのが、文と文を接続するときに使われていえる「あと」です。
ビジネスメールで文と文を「あと」でつなげるのは、少々くだけ過ぎというか、幼稚な印象を与えます。
× 希望は営業です。あと、企画にも興味があります。
○ 希望は営業です。そのほかに、企画にも興味があります。
例文のように「そのほかに」で言い換えると、収まりがよくなります。つなぐ文章によっては、「また」「それから」と言い換えてもよいでしょう。
《ワンポイント》開封確認について
メールが開封されたことをその都度、相手に伝える「開封確認」の設定は、煩わしさもあり、通常のビジネスメールでは敬遠されます。よほど確実な返信を求める場合を除いて、通常のやりとりでは設定しないほうが賢明です。
神垣あゆみ(かみがきあゆみ)Profile ライター 広島を拠点に官公庁冊子や企業の記念誌、社内報、PR誌の編集・制作に携わる傍ら、メールマガジン「仕事美人のメール作法」を配信。『メールは1分で返しなさい!』(フォレスト出版)など、メールマナー関連の著書多数。 |