2011年10月17日掲載

好印象で仕事上手! ビジネスパーソン メール術【神垣あゆみ】 - 接続詞を使い過ぎていませんか?つなげるより省く努力を!:ビジネスパーソン メール術(12)

好印象で仕事上手! ビジネスパーソン メール術(12)
~接続詞でダラダラとつなげず、シャキッと歯切れのよいメールに~
神垣あゆみ かみがきあゆみ/ライター

接続詞でダラダラとつなげたメールは、読みづらく、要点がつかめません。新聞記事が読みやすいのは、接続詞があまり使われていないからです。ムダな接続詞の使用は避け、用件が伝わる歯切れのよい文章を目指しましょう。

●使ってしまいがちな接続詞

「そして」「それから」「だから」「また」「および」といった接続詞は、つい使ってしまいがちですが、省いても十分意味は通じます。

× 午後からA社に行きました。そして、打ち合わせをしました。それから、新製品の件で同社の佐藤部長から、B社をご紹介いただきました。だから、明日早速伺ってみようと思います。また、今日、B社をご紹介いただいた佐藤部長には改めてお礼に伺うつもりです。

午後からA社で打ち合わせの後、新製品の件で同社の佐藤部長からB社をご紹介いただきました。明日、早速伺ってみようと思います。
今日、B社をご紹介くださった佐藤部長には、改めてお礼に伺うつもりです。

メールを書き終えたら、無駄な接続詞はないか、同じ接続詞を続けて使っていないかに注意して、読み返してみましょう。上記のように、省略できる接続詞があるはずです。

●重ねて使いがちな接続助詞

「ので」「が」「ため」「して」「で」などの接続助詞も多用は禁物です。「このため、△△していましたが、□□になったので…」と接続助詞は重ねて、長々と文が続いていくのは読みづらく、疲れます。

× 納期が予定より遅れて申し訳ありません、できるだけ早く、商品をお送りしたいという思いで最善を尽くしておりますので、しばらくの間お待ちいただきますようお願い申し上げます。

納期が予定より遅れ、申し訳ございません。できるだけ早く、商品をお送りできるよう最善を尽くしております。納品まで、今しばらくお待ちいただきますようお願い申し上げます。

特に、お詫びの言葉は「申し訳ありませんが」と接続助詞「が」で文をつなげてしまうと、軽々しい印象を与え、真意が伝わりません。一度文章を切って、お詫びの一文として完結させましょう。

●注意が必要な「なので」と「あと」

話し言葉だけでなく、書き言葉でも目にすることが多くなったのが「なので」です。メールでも、私信にとどまらず、ビジネスのやり取りに使われることが増えてきたように感じます。

もともとは「AなのでBです」と、前の文と後の文をつなげる助詞ですが、「なので、○○してください」と、いきなり文頭に用いて「接続詞」のように使われ始めています。

使い勝手がよいからと、「なので、○○してください」「なので、お願いします」と仕事のやり取りに安易に使うのは避けましょう。代わりに、「ですから」「だから」「そのため」と言い換えるほうが好ましい印象を与えます。

× なので、日程が変更になりました。

そのため、日程が変更になりました。

「なので」と同様に目にするのが、文と文を接続するときに使われていえる「あと」です。
ビジネスメールで文と文を「あと」でつなげるのは、少々くだけ過ぎというか、幼稚な印象を与えます。

× 希望は営業です。あと、企画にも興味があります。

希望は営業です。そのほかに、企画にも興味があります。

例文のように「そのほかに」で言い換えると、収まりがよくなります。つなぐ文章によっては、「また」「それから」と言い換えてもよいでしょう。

《ワンポイント》開封確認について
メールが開封されたことをその都度、相手に伝える「開封確認」の設定は、煩わしさもあり、通常のビジネスメールでは敬遠されます。よほど確実な返信を求める場合を除いて、通常のやりとりでは設定しないほうが賢明です。

神垣あゆみ(かみがきあゆみ)Profile
ライター
広島を拠点に官公庁冊子や企業の記念誌、社内報、PR誌の編集・制作に携わる傍ら、メールマガジン「仕事美人のメール作法」を配信。『メールは1分で返しなさい!』(フォレスト出版)など、メールマナー関連の著書多数。