~文書や手紙に比べれば略儀になりますが、メールならではの使い方も!~
神垣あゆみ かみがきあゆみ/ライター
ちょっとした用や込み入った内容を伝えるのに、電話にすべきか、メールにすべきか迷うことがあります。メールで伝達すべきか否かの判断の仕方をご紹介しましょう。
●メールで伝達する方が良い場合
メールで伝達するか否かを判断する目安としては、日付、時間、場所、金額など、その情報を明らかにし、相手と共有しておきたい場合はメールで伝達するほうが確実に伝わります。
例えば、待ち合わせの時間や場所、打ち合わせの日程など、後で確認を必要とするような内容は「メール」で伝達します。
▼文例-1
次回のセミナーについての打ち合わせですが
日時:△月△日(金) 14時~
場所:本社 404会議室
にてお願いいたします。
仕事関連でも、相手に記憶しておいてもらいた情報、記録として残しておきたい内容なども基本的に「メール」で伝えます。順を追って説明や経過を伝えるような場合も「メール」が適しています。
▼文例-2
冊子増刷の際の流れについて確認です。
1)当方で修正した原稿データを印刷会社に送付→印刷
2)直接印刷会社に修正を指示→修正→印刷
上記のいずれの方法がよろしいでしょうか?
●メール以外の伝達手段を使う方が良い場合
一方、返事や確認を急ぐ場合、書くより話したほうが判断や理解が早い内容については、メールより「電話」で伝達する方が確実です。
記録として残したくない、残すまでもない内容(その人にだけ伝えておきたい情報、他者の目に触れては不都合な情報など)も「電話」の方が伝えやすいものです。
場合によっては、電話でさわりや要点だけ話し、詳細はメールでフォローすることもあります。
▼文例-3
先ほど電話にてお伝えした件ですが、
製品概要と具体的な事例を紹介した資料をメールにて送付します。
ご確認をお願いいたします。
対面や電話で相手に連絡ができないときも、先にメールで概要を伝え、相手に目を通してもらってから、改めて訪問や電話で連絡するというのも一つの方法です。
▼文例-4
メールでのご連絡となり、恐縮ですが、
このたびお願いしたい内容や意図をお伝えしたく
取り急ぎメールにて概要をお知らせいたします。
●「メールは略儀」であることを忘れずに!
とかくスピードや効率が求められるビジネスの場では、多くの伝達がメールで行われています。しかし、初めての相手にお願い事をするようなとき、あるいは退職や転職の挨拶などは、本来、相手のところへ足を運び、きちんと対面して挨拶するのがマナーです。
早く簡単に伝達できる点で優れているメールですが、正式な申し入れや挨拶、重要な内容のやり取りの際にメールを使うのは「略式」「略儀」にあたることも覚えておきましょう。
本来は対面や電話で伝えるべき内容を、やむを得ずメールで伝達する場合は、非礼を詫びるひと言を添えるようにしましょう。
▼文例-5
本来なら、直接お伺いしてお願いすべきところ
メールにてお伝えする失礼をお許しください。
《ワンポイント》読みやすい一行の長さとは?
1行の文字数の目安としては30文字程度が適切ですが、きっちり30字ごとに改行するより、文の意味の区切りごとにランダムに改行を入れていくほうが読みやすくなります。
神垣あゆみ(かみがきあゆみ)Profile ライター 広島を拠点に官公庁冊子や企業の記念誌、社内報、PR誌の編集・制作に携わる傍ら、メールマガジン「仕事美人のメール作法」を配信。『メールは1分で返しなさい!』(フォレスト出版)など、メールマナー関連の著書多数。 |