~自分にとって耳の痛い意見にどのように対処するか、で真価が問われる!~
神垣あゆみ かみがきあゆみ/ライター
自分で自分のことは、案外見えていないもの。だからこそ、間違いを指摘してくれる上司や先輩は、自分が成長していくうえでありがたい存在です。では、自分への苦言メールを受け取った時、あなたはどう対応しますか?
●直言メールをどう受け止めるか
自分にとって耳の痛い意見や指摘ほど、避けずに受け入れる勇気が必要です。明らかな中傷や意地悪は別として、あなたのことを思い、敢えて厳しい意見をくれる人ほど、大切にしていきたいものです。
ただ、メールで直言されると、受け取る側はやはり堪えます。メールの文章は、必要以上に冷たく辛辣に感じられるからです。
苦言を呈したメールを受け取ると、ムッとして素直に受け入れられないこともあります。だからと言って、感情的になって反論したり、消去してしまうのではなく、一旦、パソコンの前を離れ、気持ちをクールダウンしてから、改めて読み返してみましょう。
「確かに一理ある」と冷静に受け止めることができたら、相手に感謝のひと言を伝えます。
▼直言への感謝を伝える文例
●自分では気づきませんでした。ご指摘いただき、ありがとうございます。
●ご助言くださり、感謝しています。
●ご指摘、ありがたく受け止めます。
ムッとする指摘というのは、実は痛いところをついているもの。相手としても言いにくいことを敢えて直言するのは、あなたへの期待があるからです。相手の真意をくみ取り、苦言を自分の糧にしていきたいものです。
●意見するときは…
ムカッとしたり、イラッと感じたりする内容のメールは確かにあります。その時の自分が「負」の精神状態にあるときは、普段は何とも思わないことでも気に障ったり、反感を覚えたりすることは誰にもあるはず。
でも、そうした負の感情のまま、相手に攻撃的なメールを返したところで、何の解決にもなりません。メールを送ってきた相手がなぜ、そう書いたのか。その意図を今一度、気を落ちつけて考えてみましょう。
それでも、相手の意見が腑に落ちない、納得できないという場合は、客観的に自分の意見を整理し、相手に確認を求めましょう。その際は「こういう意見や考えもあるけれど、どう思いますか?」と、相手に問いかけ、意見を交換する姿勢で臨むことが肝要です。
▼意見を返す時の文例
●確かにおっしゃる通りです。
しかしながら、△△のような考え方もあるのではないでしょうか。
●Aについては同感です。
ただ、Bについて私はこのように考えますが、いかがでしょうか?
意見を返すときに、「でも」「だって」というフレーズはNG。最初から相手を否定するのではなく、まず、相手の意見を受け入れることが先決です。そのうえで、「しかしながら」「ただ」と、自分の意見を切り出すようにすると衝突がありません。
意見を返すのは、相手を打ち負かし、敵対するためではなく、双方の意見の違いを認め合ったうえで歩み寄り、理解を深めることが目的。そのことを忘れずに対応しましょう。
《ワンポイント》誤字・脱字を減らすには?
メールを書き終えたら、すぐに送信ボタンを押すのではなく、一度、読み返す習慣をつけましょう。集中してメールを書いた後は、少し時間をおいてから読み直すようにすると、誤字・脱字を見つけやすいです。
神垣あゆみ(かみがきあゆみ)Profile ライター 広島を拠点に官公庁冊子や企業の記念誌、社内報、PR誌の編集・制作に携わる傍ら、メールマガジン「仕事美人のメール作法」を配信。『メールは1分で返しなさい!』(フォレスト出版)など、メールマナー関連の著書多数。 |