~飽きられず、イラつかせず、最後まで読まれるメールの書き方とは?~
神垣あゆみ かみがきあゆみ/ライター
メールは、書く側の“思い入れ”の強さに比例して長くなる傾向があります。言い訳や弁解、誤解をといたり、説得したりしようとする場合などに長くなりがち。長文すぎるメールは、要点が捕らえにくく、返信に困るものです。
●適切なメールのボリューム
メールのボリュームとして適切なのは、スクロールせずに読みとれる文字量。行数にして20~25行程度が適切です。
何度もスクロールしなければ読み切れないメールは、書く側も相当なエネルギーを要しますが、読む側にも負担を強いるものです。
苦情や感情的なメール、あるいは急ぎのメールは、テンションの高さに任せて書き連ね、その勢いのまま送信されがち。送信した側はそれで気が済んでも、受け取った側は迷惑このうえないものです。
深夜に込み入った内容のメールを送るのも要注意。感情過多な陶酔型の長文メールを送ってしまう確率が高くなるからです。
●長文のメールである旨を先に伝える
長文のメールを送信する際にはまず、長文であると断りを入れることです。メールの件名や本文の冒頭に、長文である旨が述べてあれば、読む側は後で読んだり、読む心構えができたりします。
▼件名で断りを入れた例
ご質問についての回答(長文です)
▼メールの冒頭で断りを入れた文例
お問い合わせいただきました製品の詳細な仕様をお知らせいたします。
少々長文になりますが、ご一読のうえご検討のほどお願いいたします。
詳細な内容や込み入った事柄を伝える場合は、Wordなど別のファイルにまとめて添付したり、メールではなく相手に直接電話したりして説明するほうが確実です。
●メールを整理する
結果的にメールの本文が長くなってしまった場合は、送信する前に一度、整理・調整してみましょう。整理の仕方としては、次の3つの方法があります。
1)見出しを付ける
見出しに「●」「■」などの記号を使って目立たせると、読みやすくなります。
2)先に概要を挙げ、次に詳細を述べる
メール全文を要約し、「最も伝えたいこと」を先に述べておくと詳細が伝わりやすくなります。
3)目次を入れる
数字で順番に箇条書きし、各項目を「目次」として先に挙げておくと、分かりやすいです。
メールを長文のまま書きっぱなしで送信せず、一度、見直し、読みやすく編集するひと手間をかけると「長文でも読んでもらえる」メールにできます。
▼箇条書きに整理した例
下記の通り、ステップアップセミナーを開催します。
セミナー後、懇親会も予定していますので、奮ってご参加ください。
《 ステップアップセミナー 》——————————————
●日 時:4月3日(火)
18:00 受付 18:30~ 開始
●会 場:○○区民センター 会議室
(○○区△△町1-23 JR「△△」駅から徒歩5分)
●参加費:3,000円
※当日、会場にてお支払いください
——————————————————————————————
記号や罫線、余白の行を取り入れて、読みやすく、印象に残るレイアウトを心がけましょう。
長文メールになると書くことに気をとられがちですが、そのメールを読む側の視点で、もう一度読み返し、整えてから送信する習慣をつけたいですね。
《ワンポイント》用件は1メールに1つ
1つのメールに複数の用件を押し込むと、やりとりが続くうちに混乱してきてトラブルの元。面倒がらずに「用件は1メールに1つ」を守る方が、結果的に伝達事項が確実に相手に伝わります。
神垣あゆみ(かみがきあゆみ)Profile ライター 広島を拠点に官公庁冊子や企業の記念誌、社内報、PR誌の編集・制作に携わる傍ら、メールマガジン「仕事美人のメール作法」を配信。『メールは1分で返しなさい!』(フォレスト出版)など、メールマナー関連の著書多数。 |