ERG理論

公開日 2013.7.22 深瀬勝範(Fフロンティア 代表取締役・ 社会保険労務士)

ERG理論(いーあーるじーりろん)

 アメリカの心理学者クレイトン・アルダーファによって提唱されたモチベーション理論。

 アルダーファは、マズローの「欲求5段階説」を実証的研究に基づいて修正し、人間の欲求を次の三つのグループに集約した。

(1)存在欲求(Existence needs):あらゆるタイプの物質的、生理的欲求。
(2)関係欲求(Relatedness needs):自分にとって重要な人々(家族、友人、上司等)との関係を良好に保ちたいという欲求。
(3)成長欲求(Growth needs):自分自身が成長したいという欲求。

 彼の理論は、それぞれの欲求の頭文字をとって「ERG理論」と呼ばれている。
 人間の欲求をグループ分けしてモチベーションと結び付けた点で、マズローとアルダーファの理論は似ているが、次の点で違いが認められる。

(1)マズローの説では、低次の欲求が充足された場合に高次の欲求が発生するものとされているが、アルダーファの説では、三つの欲求は同時に存在しており、低次の欲求が満たされなくても高次の欲求が発生することがあるとされている。
(2)アルダーファは、高次の欲求が満たされない場合、充足することが容易な低次の欲求への退行が生じる可能性を指摘している。