ミシガン・モデル

公開日 2014.10.21 深瀬勝範(Fフロンティア 代表取締役・社会保険労務士)

ミシガン・モデル(みしがん・もでる)

 HRM(人的資源管理)の基本的な概念を示すもので、1980年代にミシガン大学を中心に行われた研究がベースになっているため、このように呼ばれる。
 ミシガン・モデルでは、HRMは、戦略的マネジメントの一部を構成するものであり、経営戦略とのマッチングを重視して行われるべきであると主張する。その上で、HRMの基本機能として「採用・選抜、人材評価、報酬、人材開発」の四つを挙げ、これら4機能を経営戦略の下にマッチングさせて、組織と個人のパフォーマンスを向上させるサイクルを生み出すことが重要であるとしている。
 ミシガン・モデルは、HRMの中でも戦略重視の立場に立つもので、経営資源であるヒトを有効活用して、経営戦略に統合していくことを重視する。労働力としてのヒトの側面に着目している点では、従来のPM(人事管理)と通じる部分もあるが、HRMの関連する領域を経営環境、戦略、組織構造にまで広げて、それらのマッチングの重要性を指摘したところに新しい視点が見られ、その後の人材マネジメントに大きな影響を与えた。

【ミシガン・モデルにおけるHRサイクル】

資料出所:須田敏子『HRMマスターコース-人事スペシャリスト養成講座』(慶應義塾大学出版
     会 2005年)を基に筆者が一部修正