2020年06月12日掲載

BOOK REVIEW - 『対話型マネジャー 部下のポテンシャルを引き出す最強育成術』

世古詞一 著
株式会社サーバントコーチ 代表取締役 
四六判/296ページ/定価1600円+税/日本能率協会マネジメントセンター 


BOOK REVIEW 
人事パーソンへオススメの新刊

 残業時間削減や昨今のコロナ禍におけるテレワークの浸透により、在社時間が減少し、社内コミュニケーションのスタイルにも変化が起きている。こうした中、社員個人と組織の距離は、放っておくと離れていくばかりであると著者は指摘する。一方で、頻繁に話をすることでコミュニケーションを深める狙いで導入した1on1ミーティング制度が、形骸化している企業も多いのではないだろうか。これに対し本書では、本来の目的である“対話を通じた部下の成長の促進”を目指すための「すり合わせ9ボックス」を提唱している。

 「すり合わせ9ボックス」とは、“業務・個人・組織”という三つの認識レベルを“過去・現在・未来”の時間軸で3分割した合計九つの領域に、上司と部下が対話すべきテーマの全体像を可視化して表示するためのフレームワークだ。テーマに沿った質問を投げ掛けたり、対話の内容をテーマに当てはめたりすることで、話題が散らかりがちな1on1ミーティングを、部下個人と組織の認識のすり合わせのための有意義な時間にできる。

 本書では、九つのテーマごとの上司と部下のやり取り例を踏まえながら、「しゃべってもらうスキル」「フィードバックスキル」など、上司としてのコミュニケーションのテクニックを豊富に解説する。コロナ渦の今こそ、本書を参考に対話の機会を有効活用し、質の高いコミュニケーションにより部下の能力を引き出す“対話型マネジャー”としてのスキル発揮が求められているのではないだろうか。

 



対話型マネジャー 部下のポテンシャルを引き出す最強育成術

内容紹介

部下の成長が促進され、成果が上がり、従業員エンゲージメントが高まる!
1on1ミーティングの第一人者が、組織で必要な上司と部下の対話の「型」を大公開!
近年、組織における対話の重要性が叫ばれ、1on1ミーティングを実施する組織も増えてきましたが、実際に何をどう話せばいいのかわからず、戸惑い、成果を感じられずに継続できない人や組織が多く見受けられます。
しかし、それは単に正しいやり方を知らないだけで、正しいやり方を知って研鑽を積めば、効果的な対話が継続できます。