2020年06月26日掲載

BOOK REVIEW - 『オフサイトミーティング 仕事の価値を高める会議』

若山修、刀祢館ひろみ 著
株式会社スコラ・コンサルト 対話普及チーム 
四六判/240ページ/1600円+税/同文館出版 


BOOK REVIEW 
人事パーソンへオススメの新刊

 「ビジョンや目標をしっかりと共有したい」「自ら考え行動する社員を増やしたい」――これら一つでも思い当たる場合は、「オフサイトミーティング」を実施してはいかがだろうか。もともと欧米の組織開発の分野で使われていた言葉である「オフサイトミーティング」を、本書では「気楽にまじめな話」をする「場」と定義した。「気楽でまじめ、本音で本気」「道具であり、手段である」「非データ系情報(文字で文書に表すのが難しい情報)を大切に」という三つのコンセプトを掲げ、全7章を通じて考え方・進め方を整理していく。

 「オフサイトミーティング」を準備する際には、目的やゴールイメージ・グランドルールの設定、ミーティング中のメンバーのフォローといった役割を担う「コーディネーター」の配置が重要になる。コーディネーターに求められる、個々の意見を引き出し意見を要約するスキルや、「話が長い人」「ネガティブな人」といった参加者の困るタイプとその対処法、ミーティングにおける沈黙の種類とその対応法など、つまずきやすいポイントは詳細に解説されている。そのため、「オフサイトミーティング」の企画を考えている人のみならず、一般的な会議のファシリテートに悩む人も、大きなヒントを得られることだろう。

 本書を手掛けているスコラ・コンサルトは、20年以上にわたり、企業風土改革を支援してきた。第7章では、「オフサイトミーティング」の実践例として三つのケースがインタビュー形式で紹介されており、実践に当たり苦労した点・知恵を絞った点・得られたことを見ることができる。「オフサイトミーティング」の豊富なノウハウが余すところなく盛り込まれている本書を片手に、自組織の風土改革に取り組んでいただきたい。

 



オフサイトミーティング 仕事の価値を高める会議

内容紹介

対話普及チームによるスコラ・コンサルト初のオフサイトミーティングの入門書です。 自律神経のように機能する組織のコミュニケーション、本音・本気の「まじめな雑談」はどのようにして実現するのか。オンラインでも生かされるプロセスデザイナーのコーディネートの秘訣を明かします。

「本当は話したほうがいい重要なこと」を話す場=オフサイトミーティングの事前準備から当日のコーディネート、振り返りとアフターフォロー、困ったシチュエーション対策までをまとめたリーダー、マネージャー、コーディネーター応援本!