上司パワハラ、慰謝料命令 東京の病院、地裁支部判決

 
 東京都福生市の公立福生病院の男性職員(60)が適応障害を発症したのは上司のパワーハラスメントが原因だとして、病院の運営団体に約540万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁立川支部がパワハラを認定し、慰謝料など計約200万円の支払いを命じる判決を言い渡したことが分かった。男性らが2日、都内で記者会見し明らかにした。判決は1日。
 判決によると、男性は病院の医事課長だった2016年10月~17年2月、会議などの場で当時事務次長だった男性から「何一つできもしない一番程度の低い人間」「うそつきと言い訳の塊」「生きている価値なんかない」などの暴言を繰り返し受け、眠れないといった症状を訴えるようになり、適応障害と診断されて一時休職した。
 地裁支部は暴言について「業務の適正な範囲を超えて精神的苦痛を与えるものだ」と認定。慰謝料100万円や、休職中の減収分約70万円などの支払いを命じた。
 原告男性は会見で「病院側に謝罪してほしい。他の職員も被害を受けており、再発防止のため全体像の調査が必要だ」と訴えた。病院を運営する福生病院企業団は「判決文を受け取っておらずコメントできない」としている。
(共同通信社)