2020年07月10日掲載

BOOK REVIEW - 『図解 人材マネジメント入門 人事の基礎をゼロからおさえておきたい人のための「理論と実践」100のツボ』

坪谷邦生 著
株式会社 壺中天 代表取締役、株式会社アカツキ 人材マネジメントパートナー 
19×22cm/272ページ/2600円+税/ディスカヴァー・トゥエンティワン  


BOOK REVIEW 
人事パーソンへオススメの新刊






 「マネジメント」は日本語で「管理」と訳されることが多い。しかし、人事コンサルタントである筆者によると、「マネジメント」とは組織が成果を出すために「なんとかする」ことであり、「管理」とはニュアンスが異なるという。本書は、こうした「マネジメントとは何か?」という基本中の基本から、終身雇用・年功序列が限界を迎えつつある中で「これから働く人はどうなるのか?」という今後の見通しまで、タイトルのとおり人材マネジメントにまつわる「100のツボ」をQ&A形式で解説している。それぞれのツボを本文と図表それぞれ1ページずつの見開きで一覧できることが本書の特徴だ。

 本書は全10チャプターで構成され、1チャプターにつき10のツボを紹介していく。さらに、「人材マネジメント」「人事評価」「賃金・退職金」「働きがい」「等級」「採用」「異動・代謝」「人材開発」「組織開発」「働く人」といったチャプターごとに色分けされている。まとまりのあるページ構成であるため、興味関心のあるツボのみ「つまみ食い」することが可能だ。一方、通し読みをすると構造的に人材マネジメントを把握でき、読者の利用方法に合わせて活用できる工夫が施されている。

 各チャプターの終わりには、テーマに沿った「4社の実例(サイボウズ・アカツキ・リクルート・トヨタ)」「まとめ」「コラム」が掲載されている。このうち「まとめ」には、人事担当者や管理職といった「人材を生かして成果を上げる立場にいる方」へ向けた筆者からのメッセージがあるため、各テーマで迷っていることがあれば、まずこちらを参照してみるのもよいだろう。人事初心者から上級者まで、人事コンサルタントの豊富な実践が詰めこまれている本書をぜひ手に取っていただきたい。

 



図解 人材マネジメント入門 人事の基礎をゼロからおさえておきたい人のための「理論と実践」100のツボ

内容紹介

本書では「人材マネジメント」をはじめて学ぶ方、あらためて基礎から学びたい方に向け、基礎知識を「100のツボ」として図解しています。領域が広く、捉えようのない「人材マネジメント」をこの1冊で、わかりやすく体系的に理解することが可能です。