2020年08月28日掲載

BOOK REVIEW - 『デジタル時代の人材マネジメント 組織の構築から人材の選抜・評価・処遇まで』

内藤琢磨 編著
株式会社野村総合研究所 コーポレートイノベーションコンサルティング部 
組織人事・チェンジマネジメントグループ グループマネージャー 上席コンサルタント 

A5判/226ページ/定価2400円+税/東洋経済新報社 


BOOK REVIEW 
人事パーソンへオススメの新刊

 新型コロナウイルス感染拡大により、日本企業はこれまでにない早さでのデジタル対応を余儀なくされ、「デジタル化」への意識も高まりをみせている。しかし今後、デジタル化によるビジネスモデルの変革=「デジタルトランスフォーメーション(DX)」を実現するには、既存の人事制度の抜本的な見直しが必要であると著者は述べる。本書は日本型人材マネジメントモデルの変革に主眼を置き、デジタル人材のマネジメントのポイントを、組織人事・チェンジマネジメントに関するコンサルタントならではの視点から、先進的な取り組み事例を取り上げつつ整理する。

 第1章では、伝統的な日本企業においてデジタル化への取り組みが実行段階へ進まない原因を、組織と人材の問題に焦点を当てながら解説する。第2章ではデジタル人材の特性に関する多くの調査結果から、デジタル人材を確実に採用し、モチベーションを維持してもらうための処遇の勘所を示す。「デジタル人材とは」「人材マネジメントモデルとは」といった定義的な解説も含んだ構成で、予備知識に自信がなくとも読みやすい。

 第3章、第4章では具体的にDXを実現するためのマネジメントを組織・人材戦略と処遇制度の両面から論じ、続く第5章では現状から変革を起こすための6ステップを解説する。世界的なデジタル化の波を人事戦略変革の好機と捉え、企業が経営課題として人材マネジメントに向き合うための道筋を示す一冊だ。

 



デジタル時代の人材マネジメント 組織の構築から人材の選抜・評価・処遇まで

内容紹介

これからの企業・組織の盛衰は「デジタル人材」が握っている!

「with コロナ」を生き抜く人事戦略の決定版、待望の刊行。
SAP、サイバーエージェント、コニカミノルタ、大日本印刷など主要企業の事例を紹介。