2020年09月11日掲載

BOOK REVIEW - 『カルチャーモデル 最高の組織文化のつくり方』

唐澤 俊輔 著
Almoha LLC, Co-Founder 
四六判/392ページ/1800円+税/ディスカヴァー・トゥエンティワン 


BOOK REVIEW 
人事パーソンへオススメの新刊



 意思決定や情報の共有方法、働き方、社内の雰囲気など、会社のカルチャーは暗黙知として共有されていることが多い。そうしたカルチャーを意図的につくり、言語化・可視化し、社内外に浸透させることは、ビジネスモデルの構築と同じくらいに重要である、と著者は言う。カルチャーを可視化することで会社と社員のミスマッチを防ぎ、社員のエンゲージメントを高めることができる。また、カルチャーはその会社らしさを表すものであり、戦略を設計するための羅針盤にもなり得るため、企業の成長や競争力にも影響を与えるものだ。

 それでは、どのようにカルチャーを形成し、浸透させていけばよいのだろうか。本書では、経営のスタンスが「カリスマリーダー経営」「チームリーダー経営」「複数リーダー経営」「全員リーダー経営」のどれに当てはまるかによって、企業のカルチャーの傾向が分かれると指摘する。それぞれの特徴を踏まえた上で、カルチャーをつくるプロセスを①現状のカルチャーを棚卸しする、②ビジョン・ミッションを設定する、③カルチャーの方向性を決める、④カルチャーを言語化する、⑤カルチャーを浸透させる――の5段階に分けて解説する。

 著者は、これまでに日本マクドナルド、メルカリ、SHOWROOMで人事、組織開発などに携わってきたキャリアを持つ。各社において、「最高の組織文化」を目指してカルチャーを設計・言語化し、社内外に浸透させる取り組みを行ってきた。本書では、それぞれの企業で実践してきた取り組みの紹介をはじめ、ネットフリックスやグーグルなどの他社事例も多く取り入れながら具体的なノウハウを提供する。カルチャーの重要性を感じているものの、何をすればよいか分からないとお悩みの方に一読をお勧めしたい。

 



カルチャーモデル 最高の組織文化のつくり方

内容紹介

ビジネスモデルだけでは不十分。
カルチャーモデルの設計こそ「いい会社」の必須条件!!
マクドナルド・メルカリ・SHOWROOMで事業と組織の成長を加速させてきた著者による「新しい組織論」。
本書ではカルチャーを言語化し、可視化し、それを社内外に浸透させることで、企業と社員の期待値ギャップを減らすために、「カルチャーモデル」を設計し「最高の組織文化」をつくる方法を紹介します。