2020年10月23日掲載

BOOK REVIEW - 『1on1の対話レッスン ―ワンランク上のコーチング』

本間達哉 著
ダイアローグ・カフェ・クラブ代表理事
四六判/160ページ/定価1400円+税/経団連出版


BOOK REVIEW 
人事パーソンへオススメの新刊


 アメリカのシリコンバレーで発祥し、日本ではヤフーが早期に取り入れたことでも注目される「1on1」。部下の成長を目的とした“1対1”で行われるミーティングであり、上司と部下の対話の場として活用される取り組みだ。しかし、“何を話せばいいのか分からない”“忙しい中で無駄な時間だと感じてしまう”など、「1on1アレルギー」に陥ってしまう人は少なくない。こうした不安や不満、課題を抱える人に向けて、コーチングや1on1に役立つ“対話”の技術を磨き、その質を高めるためのヒントを教えてくれるのが本書だ。

 全5章立ての本書は、コーチングや対話の理念や技術について体系的に解説していく“理論書”ではなく、練習や実践を通してスキルを磨いていくための手法をレッスンする“実践書”として書かれている。例えば、第2章では「心から聴く、そして返す」というテーマでアクティブリスニング(能動的に、そして受容と共感を持って相手の話を聴くこと)を取り上げ、具体的な言葉遣いやしぐさ、相槌(あいづち)のポイントを紹介。これを、実際に1on1を行う部下との間で、あるいはマネジャー同士で練習することを想定し、どのようにレッスンを進めればよいか、そのノウハウをまとめている。

 本書が練習や実践を重視する背景として、著者は「新しいことを学び、これまでにない成果を生み出すには、『正しい理解』と繰り返しの『練習』が欠かせない。語学やスポーツが練習なしに身につくことがないように、1on1の対話にも練習が欠かせない」と述べている。1on1に悩みを抱えている方、これから1on1を始める方はぜひ、コンパクトで持ち運びしやすい本書を手に、部下・上司とのミーティングに臨んでみてはいかがだろうか。

 



1on1の対話レッスン ―ワンランク上のコーチング

内容紹介

◆業績の向上、離職率の低下、社員満足の向上にもつなげられる!
◆どんなテーマを取り上げたらいいかがわかる!
◆コミュニケーションの時間が楽しくなる!

コーチングや1on1に役に立つ対話の技術を磨き、その質を高めるためのヒントと、練習のためのエクササイズを20のレッスンにまとめました。新しいことを学び、これまでにない成果を生み出そうとするには、「正しい理解」と繰り返しの「練習」が欠かせません。