2020年11月13日掲載

BOOK REVIEW - 『基本がわかる 実践できる マネジメントの基本教科書』

JMAMマネジメント教育研究会、中嶋裕、渡辺京子 著
海瀬章、田崎洋 協力 
A5判/344ページ/定価2000円+税/日本能率協会マネジメントセンター 


BOOK REVIEW 
人事パーソンへオススメの新刊

 管理者の立場になると、それまでプレイヤーとして求められてきたものとは異なる能力の発揮を求められ、戸惑うことも多い。一方で、管理者は、関わる多くのメンバー、社外関係者を"幸せにできる"立場でもあると著者らは述べる。本書は、管理者が果たすべき役割を三つの観点から整理し、管理者が自分らしさを活かしたマネジメントにたどり着くまでの「旅」のガイドとして、マネジメントに役立つ理論を豊富に紹介する。

 第1章と第2章では、マネジメントの基礎知識と管理者の役割を解説する。経営の一翼を担う立場として持つべき高い「視座・視野・視点」と、機会損失を最小限にし、成果の最大化を目指すマネジメントの必要性を再確認できる。第3章から第5章では、管理者の役割を、①自分(=管理者)を活かす、②組織を活かす、③メンバー個々人の主体性を活かす、という三つの観点で捉え、それぞれの役割に焦点を当てながら、「管理者としての成長に必要なこと、そのプロセス」を学んでいく。

 「総仕上げ」の位置づけとなる第6章は、どのように「マネジメントの実践」を図っていくかをまとめている。上記の三つの観点で役割を果たせているか、チェックリストで振り返る内容だ。以下の例はほんの一部であるが、①自分を活かすための「レジリエンス」や「エモーショナル・インテリジェンス」、②組織を活かすために必要な「ダイバーシティ」の視点、③メンバーの主体性を活かすための「テレワーク」手法など、昨今話題となっている多くのキーフレーズが押さえられる。長いマネジメントの「旅」の中で、携えてほしい一冊だ。

 



基本がわかる 実践できる マネジメントの基本教科書

内容紹介

マネジメント基本知識習得と管理者の役割を理解する。
組織を活性化し、持続可能な組織を創る。自分を活かす・組織を活かす・メンバーを活かす。
これまでのマネジメントと未来に向けた実践方法とは…図解&事例、新たな時代の管理者に求められる役割と行動。