2021年01月08日掲載

BOOK REVIEW - 『超・会議術~テレワーク時代の新しい働き方』

越川慎司 著
株式会社クロスリバー 代表取締役社長 CEO・アグリゲーター 
四六判/208ページ/1480円+税/技術評論社 


BOOK REVIEW 
人事パーソンへオススメの新刊

 2017年~2018年にかけてパーソル総合研究所と立教大学教授の中原淳氏が実施した「長時間労働に関する実態調査(第一回・第二回共通)」によると、「ムダな会議」による企業の損失は、1万人規模の企業であれば年間15億円にのぼるとされた。損失を最小限にするためには、どのような行動が必要となるだろうか。本書は、働き方改革のコンサルタントとして600社以上を支援してきた筆者が、社内会議を成功に導くルールをまとめ、会議の運営に悩む読者へヒントを提供する一冊だ。

 社内会議の目的は、大きく①情報共有、②意思決定、③アイデア出し――という3種類に分けることができる。本書では、それぞれの目的を達成するための会議の特性にも触れながら、全6章にわたり会議のコツを解説している。第1章は、「ムダ会議」の特徴を紹介し、改善すべき会議がどのようなものかの概略を明らかにする。第2章は、「なぜ会議が必要か?」「やめる会議を決める」等、会議改革に必要な五つの心構えを説いていく。さらに第3章では、会議開催に当たり必要となる準備を五つに分け、アジェンダの共有や資料フォーマットの共有方法などのノウハウを紹介している。

 続いて、会議の「正しい仕切り方」を切り口に、ファシリテーターとして会議の時間管理を行う方法や、皆の意見を引き出す雰囲気づくりの要点をまとめている(第4章)。本書後段では、コロナ禍の影響により急速に普及したオンライン会議のメリットや進め方、効率を高める会議ツールの活用術を紹介していく(第5~6章)。巻末にはZOOM等の各オンライン会議ツールのショートカットキーがまとめられており、実際のオンライン会議時に手元に置いておくと便利だろう。「ムダ会議」撲滅に向けた多くのテクニックが凝縮されている本書を片手に、自社の会議改革に取り組んでみてはいかがだろうか。

 



超・会議術~テレワーク時代の新しい働き方

内容紹介

元マイクロソフト業務執行役員が教える“会議時短テク”を凝縮!
会議改革に必要な心構え、成果を上げる仕切り術、オンライン会議ツール活用術等を紹介。切り取って使う「オンライン会議ツール ショートカットキー集」付き。


元マイクロソフト業務執行役員である筆者が623社、16.3万人の働き方改革を支援する中から生まれた会議の時短テクニックを公開。テレワーク時代における「オンライン会議」の作法もしっかりフォローし、ビジネスパーソンの時間を奪う「ムダ会議」を一掃。最適なアウトプットを最速で得るためのノウハウを紹介します。