2021年01月22日掲載

BOOK REVIEW - 『サイボウズ流 テレワークの教科書』

サイボウズチームワーク総研 著
四六判/256ページ/1500円+税/総合法令出版 


BOOK REVIEW 
人事パーソンへオススメの新刊

 グループウェアを開発・販売するサイボウズでは、「100人いたら100通りの働き方があってよい」と考え、多様な働き方を実現できるようにしている。昨年来のコロナ禍で急速に注目を浴びたテレワークを可能にする環境も早くから整備されているが、最初から運用がうまくいっていたわけではない。2010年の試験導入以降、社員の声を聞きながら試行錯誤を重ね、制度を拡充していった背景がある。本書では、同社が10年にわたり実践してきた中で得たノウハウをまとめ、テレワークを職場に定着させるためのコツを提供する。

 テレワークを根付かせるには、制度やツールだけでなく、風土が整っていることがポイントとなる。本書では、まずテレワークで重要となる「ICT環境の整備」について紹介した上で、「風土づくり」に重点を置き、いかにテレワークしやすい環境をつくっていくのかを解説する。テレワークの風土づくりで大切となる「社内コミュニケーション」「チームマネジメント」に目を向け、サイボウズでの事例を紹介しながら、具体的な方策やアイディアを提示していく。また、本書後半では、テレワークが普及することで組織や個人がどう変化するのか、これからの展望も描いている。

 2020年4月の緊急事態宣言時は多くの企業でテレワークの導入・活用が進んだものの、同年6月に宣言が解除されて以降、"原則出社"に戻った企業も少なくない。それは、テレワークでさまざまな問題が出てきたから、という事情も各社であったのだろう。しかし、働き手のテレワークに対するニーズは高く、これからもテレワークが広がっていくことは間違いない。本書をきっかけに、なぜ自社のテレワークはうまくいかなかったのか、定着しなかったのかを振り返り、実践に移していただきたい。

 



サイボウズ流 テレワークの教科書

内容紹介

テレワークが定着しない職場の問題を解決! 「仕事環境と情報セキュリティ」「社内コミュニケーション」「チームマネジメント」の観点から、テレワークでも問題なく仕事を続け、チームワークを高めていく方法を紹介する。

テレワークを職場に定着させるための鍵は「チームワーク」にありました。
テレワークで成果を出すには、会社の制度やシステムだけではなく、仕事の現場から変えていかなければいけません。実際にテレワークを始めてみると、さまざまな問題が生じてきます。本書では、テレワークの問題を「ICT・勤務環境」「コミュニケーション」「マネジメント」の3つの観点から整理して、これらを根本から解決するための方法を紹介していきます。オンラインオフィスや在宅作業環境の整備から、チャットやテレビ会議の使いこなし方、不安や孤独感の解消まで。チームでテレワークを続けていくために必要なことが詰まった決定版です。