2021年02月26日掲載

BOOK REVIEW - 『人事労務担当者の勘違い あるあるQ&A ―誤った法制度理解をしないために―』

露木利行、横山要範 著
社会保険労務士法人Sunny Job Design共同代表 
A5判/284ページ/2700円+税/第一法規 


BOOK REVIEW 
人事パーソンへオススメの新刊

 新型コロナウイルス感染拡大を機にテレワークの活用が急速に進むなど、働き方が多様化している。そのような中、人事労務担当者は法改正への適切な対応が求められるものの、複雑な内容のため勘違いをすることも少なくないだろう。本書は、特定社会保険労務士である筆者が人事労務担当者から相談を受ける中で感じた「勘違いをしやすいポイント」について、キーワード・業種別で80項目にまとめ、解決策や運用のポイントをコンパクトに解説した実務Q&A集である。

 本書は全8章で構成されており、各章の冒頭でテーマに関するポイントを4ページ程度でおさらいした後、具体的なQ&Aを掲載している。各Q&Aは、「1・勘違いしているポイント」「2・問題に対する解決策」「3・問題を解決することによるメリット」「4・人事労務管理制度に反映させる上でのポイント」――という4項目に分けて解説をしており、最終的にはトラブル対応だけでなくトラブル防止を図ることができる。また、「一人親方が現場でけがをした際に、元請企業として労災の届け出は必要か」「医師不在時の休診日の従業員に対する取り扱い」など、業種別に多く見られる質問を取り上げる点も本書の特徴だ。

 各章で取り扱うテーマは、「労働時間・休日」「賃金」「退職」「社会保険」と一般的なものから、建設業や製造業、医療業界・介護業界、飲食業といった業種ごとのQ&Aまで幅広く、必要なページのみ読み進めることも可能である。「法対応で勘違いをしていないか確認したい」「労務管理のポイントをおさらいしたい」と考える人事労務担当者に読み進めていただきたい一冊だ。

 



人事労務担当者の勘違い あるあるQ&A ―誤った法制度理解をしないために―

内容紹介

中小企業にありがちな誤った人事労務制度の運用について、誤っているポイント、問題に対する解決策、人事労務管理制度に反映させる上でのポイントをQ&Aで端的に解説!

著者が実際に中小企業の人事労務担当者から受けた相談のうち、多くの担当者が誤った認識を持っていた事項を選出し、誤っているポイント、問題に対する解決策、問題を解決することによるメリット、そして人事労務管理制度に反映させる上でのポイントを、80のQ&Aで確認します。各章の冒頭には概説を配して、各テーマにおける中小企業の人事労務担当者が陥りがちな誤り等について解説していきます。