2021年03月12日掲載

BOOK REVIEW - 『リモートマネジメントの教科書』

武藤久美子 著
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ シニアコンサルタント/主任研究員 
四六判/224ページ/1680円+税/クロスメディア・パブリッシング 


BOOK REVIEW 
人事パーソンへオススメの新刊
 コロナ禍で急速に広まったリモートワーク。その利点が注目される一方で、業務管理やコミュニケーション面で課題を感じるマネジャーの声は多く、従来型のマネジメントを進化・変化させていくことが求められている。もちろん、リモートワークであっても、「所属組織が目指す短期・中長期の目的実現への貢献」というマネジャーの役割は変わらない。しかし、メンバーの働き方や仕事環境が変わることで、マネジメントの軽量の付け方や手法を変える必要が生じているのだ。このような観点から、本書ではリモートワークに適したマネジメントのノウハウを解説する。

 リモートマネジメントでは、メンバーの三つの「こ」、すなわち「①個として立つ」「②心の距離が近い」「③ここがいい」を意図して支援していくことが最も重要である、と著者は指摘する。それを踏まえた上で、リモートマネジメントのポイントを10個挙げ、「まずはここから」実施してほしい行動と、応用編としての「プラスアルファ」の行動を紹介する。例えば「①個として立つ」では、「メンバーが自走できるようなゴールを置く」「メンバー・仕事を見積もり、任せる」といったポイントごとに、考え方や具体的な行動例を解説していく。

 上記のようなノウハウの解説のほか、本書では「入社後すぐにリモートワークとなる中途採用者」「雑談が減ってしまった職場」などケース別の対応方法も示している。リモートワークでは、"個々人にフォーカスしていくこと"がいっそう必要になり、マネジャーが担う役割の重要性も増す。ただし、変化しなければならないのはマネジャーだけではない。リモートワークを推進する人事部門も、本書を通じてリモートマネジメントの基本を学び、激しく変化する環境下で苦闘するマネジャーを支援していただきたい。

 



リモートマネジメントの教科書

内容紹介

豊富な事例で解説する、3つの「こ」と10のポイント。マネジャーとしての現実的な未来と実践。

リモートワーク下で、マネジャーはメンバーをどのようにマネジメントすればいいのでしょうか。著者は、リモートワークの導入が主流となる前から、様々な業界のクライアントに、本格的、先進的な働き方改革やリモートワーク導入を支援してきたコンサルタントであり、自身もリモートワークを積極的に活用する、いわば「リモートワークの達人」です。
本書では、リモートワーク下で目指すメンバーの状態像を【3つの「こ」】、そして、マネジャーが行うリモートマネジメントを【10のポイント】と【15のケース】で紹介します。
また、リモートマネジメントはマネジャーだけが頑張れば済むものではありません。本書の中では、メンバーの果たす責任や、会社や組織がマネジャーを支援するポイントについても紹介します。