2021年05月28日掲載

BOOK REVIEW - 『人事データ活用の実践ハンドブック』

入江 崇介 編著
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ 
A5判/140ページ/定価2200円+税/中央経済社 


BOOK REVIEW 
人事パーソンへオススメの新刊
 近年、データやテクノロジーを活用して組織やビジネスのあり方を変容させるDX(デジタルトランスフォーメーション)の動きが加速している。人事領域においても、新たなHRテクノロジーによるツールなどが浸透し始めているが、そこで収集・蓄積した人事データをうまく分析し、活用することができないとの悩みを抱える企業も少なくないだろう。本書は、人事の実務の中で「どのような課題を解決するために、どのようにデータを活用できるか。何に留意すべきか」という考え方や、具体的な手続きを分かりやすくまとめた一冊である。

 本書は全7章で構成され、第1章では人事データ活用の基礎として、活用できるデータの種類や分析アプローチ、データ活用の手順などを抑える。続く第2章から第4章では、「採用」「研修」「昇進・昇格選考」の各場面におけるデータ活用のポイントを解説。データ活用の出発点となる実務上の課題や具体的なシチュエーションについて、データ分析の視点や結果の活用方法を見ていく。相関分析や回帰分析などの分析結果のアウトプット例やデータ分析のイメージ図などが随所に示されており、視覚的にも要点をつかみやすい構成となっている。

 第5章では、個人と環境との"適合"の観点から、タレントマネジメントや異動・配置におけるデータ活用を取り上げる。一方、第6章では「組織サーベイ」を中心に、組織の機能を高める視点での解説を行う。そして、最終第7章では、人事データ活用を取り巻く環境や「AI利用ガイドライン」など各種ガイドラインを紹介している。人事データに触れ、分析を実践する際には手元に置いておきたい、まさに"ハンドブック"(手引き)として使える書籍といえるだろう。

 



人事データ活用の実践ハンドブック

内容紹介

適性検査、組織サーベイ、360°サーベイ、研修アンケート…。
自社に眠る人事データを最大限活用する!
人事の実務の課題解決のために、データ活用の考え方と手続きをわかりやすく解説する。


適性検査や組織サーベイ、人事制度コンサルティングなどのサービスを通じて企業のデータ活用を支援してきた著者が、そのノウハウを事例とともに紹介!
人事の実務において、どのような課題を解決するために、どのようにデータを活用できるのか、その際何に気をつけるべきなのか。基本的な考え方や手法をやさしく解説。