2021年06月11日掲載

BOOK REVIEW - 『意外とわかっていない人のための 人事・労務の超基本』

北村 庄吾 著
社会保険労務士 
A5判/224ページ/1600円+税/かんき出版 


BOOK REVIEW 
人事パーソンへオススメの新刊

 近年、人事・労務分野では、時間外労働の上限規制、同一労働同一賃金(正社員と有期・パート社員との不合理な待遇差の禁止)など、度重なる法改正が行われてきた。また、テレワークや副業など多様な働き方が広がっていくことで、新たな課題も生まれている。このように、対応すべき事柄が山積している中、どこから手を付け、どう対応するべきなのか悩む新任担当者や現場の管理職は多いはずだ。本書はそうした人々に向けて、人事・労務の"超基本"の知識を解説し、現場でよくある問題や悩みに対して解決策を提示する。

 採用から退職までの流れに沿って、全80項目で構成されている。「労働契約とはどんな契約を指すのでしょうか」「振替休日と代休って、どこが違うのでしょうか」といった基本的な内容から、「同一労働同一賃金とは何か、いま一つわかりません」「社員によるFacebookなどSNSでの発信を禁止できますか」など、近時問題となっているトピックまで、幅広く取り上げられる。各項目は2~5ページでまとめられており、用語解説や図解を用いながら基本的な知識を解説していく。また、会社が打つべき手や、コンプライアンス上押さえておくべきポイントなど、実務上役立つアドバイスも豊富に紹介されている。

 人事・労務のあらゆる課題が「ひとまとめ」になった本書は、人事・労務の基礎を体系的に学びたい場合はもちろんのこと、何かトラブルがあったときに対応策を確認する際にも役立つはずだ。実務対応のよりどころとして、手元に置いておきたい一冊である。

 



意外とわかっていない人のための 人事・労務の超基本

内容紹介

採用から退職まで、人事・労務の基本的な知識を網羅。最新の法改正なども盛り込み、図表やフローチャートを交えてわかりやすく解説する。用語解説、コンプライアンスチェック、規定例、事例研究等も掲載。

業績悪化で退職金制度をやめたら法律違反? ルールを守らない社員は処分すべき?
専門職には残業代を払わなくてもOK? テレワークと通信手当はセットが常識?
労務トラブルに振り回される現場責任者のために書きました。リアルな悩みから生まれた80の課題を、一つひとつ解決していきます。
トラブル解決の武器として気になる項目から読んでもよし、日常の中で頼れる辞書として使ってもよし。人事・労務をイチから学ぶために、最初から読んでもよし。みなさまの用途に合わせた「相棒」として、ご活用ください。