2021年06月25日掲載

BOOK REVIEW - 『管理職なら知っておかないとまずい! 労務管理テキストブック』

江上 千惠子 著
江上法律事務所所長 弁護士 
B5判/176ページ/定価2200円+税/第一法規 


BOOK REVIEW 
人事パーソンへオススメの新刊

 この1年半、新型コロナウイルス感染症の流行により働き方が変わり、人事部門の担当者にとっても、変化への対応や新しい環境への適応が大きなテーマとなった。しかし、それ以外にも、働き方改革関連法の施行や同一労働同一賃金をめぐる最高裁判決など、労務管理を取り巻く状況は絶えず変化している。今日では、人事担当者はもちろん、職場の管理職にも最新の法律知識を理解し、裁判例の情報を知ることが求められている。しかし、実務をこなしながらこうした専門的な情報にアンテナを立てるとなると、そう容易ではないだろう。本書は、労務管理を行う上で知っておくべき労働関係法の基礎知識や実務上の対応方法等を分かりやすくまとめた、管理職にお薦めしたい一冊である。

 本書では、①労働契約、②労働安全衛生、③労働時間、④休日・休暇、⑤働き方と働く人の多様性――という五つの「UNIT」で労務管理全般を見ていく。各UNITでは、実務において悩みがちな事例に沿って、そのテーマに関する基礎的な法律知識などを解説し、実際にどのように対応すればよいかを手ほどきする。その上で、関連する裁判例が紹介されており、具体的な労務トラブルの場面をイメージしながら読み進めることができる。読者対象が職場の管理職であることから、法律や裁判例に慣れ親しんでいない人でも理解しやすいような構成・表現になっている点が特徴だ。

 労務関係のトラブルを防ぎ、また、発生してしまったトラブルが深刻化しないように解決に導くためには、適切な労務管理を実施できるように人事がサポートすることも重要だが、職場の管理職自身も労働関係法令をしっかりと理解しておくことが欠かせない。管理職への教育・研修を行う際など、ぜひ本書を活用してほしい。

 



管理職なら知っておかないとまずい! 労務管理テキストブック

内容紹介

労働時間、ハラスメント、メンタルヘルス……。
管理職として適正に対応できていますか? 管理職に向け、労務管理に必須の労働関係法の基礎知識や実務上の対応方法等を、事例と共にわかりやすく解説。重要な裁判例も紹介します。


管理職が、法令遵守・企業倫理の両面から労務管理を学べるテキストブック。労働時間をはじめ必要なテーマを網羅し、働き方改革関連法やパワハラ防止法などの重要法改正にも対応。また、テレワーク、外国人雇用など、働き方や働く人の多様性に関する項目も収載。
・管理職が労務管理を法令遵守・企業倫理の両面から一通りおさえることができる唯一の書籍です。
・各項目は「その項目で学べるポイント・管理職が実際に悩んだり迷ったりしがちな事例・基本解説・基本解説をふまえた事例解説・その項目の内容を振り返るチェックリスト」となっており、重要ポイントがわかりやすく、実務にも活かしやすい構成です。
・巻末には切り取り可能の理解度確認テストを収載し、管理職の理解度の確認に加え、研修のエビデンスとしても利用可能です。