就労支援施設に支払い命令 元職員賃金、福岡地裁支部

 

 障害者の就労支援施設で働いていた元職員2人が、3年以上休日なしで昼夜働いていたのに残業代などが支払われなかったとして、運営会社に約3470万円の支払いを求めた訴訟の判決で、福岡地裁小倉支部は25日までに、会社側に約2580万円の支払いを命じた。判決は24日付。

 藤岡淳裁判長は「時間外労働を余儀なくされていることを認識していたにもかかわらず、割増賃金を全く支払わない対応は悪質だ」と指摘。制裁金に当たる「付加金」約2250万円の支払いも命じた。

 判決などによると、元職員2人はそれぞれ2014年11月~18年4月、15年1月~18年10月に勤務。平日の日中は就労支援施設「おしあん」(福岡県行橋市)で業務に従事し、夜間や休日は施設利用者らが共同生活するグループホーム「漢村」(同県苅田町)に泊まり込んで、利用者のトイレや入浴の介助などに当たってきた。

 運営会社側は「雇用契約は『おしあん』によるものだ」とし、漢村での寝泊まりは個人的な都合だと主張していたが、藤岡裁判長は「運営会社側の指示だった」と退けた。

(共同通信社)