2021年08月27日掲載

BOOK REVIEW - 『外国人の部下を持ったら読む本』

岡 晴雄 著
株式会社オドック 代表取締役社長 組織活性プロデューサー
B6判/216ページ/定価1800円+税/セルバ出版


BOOK REVIEW 
人事パーソンへオススメの新刊


  同じ「会議に遅刻した」という場面でも、日本で生まれ育った人材と外国人材では異なる行動をとることが多い。これは双方の属する文化や慣習、持っている価値観が全く異なるためであり、外国人材のマネジメントではまずこの“違い”を理解することが必要だと著者は述べる。本書は、外国人材を部下に持つ、あるいは外国人材と共に仕事をするビジネスパーソンが最低限理解すべきポイントを詰め込んだ一冊だ。

  本書では、日系企業で働く外国人材の多くを占める中国人、ベトナム人、韓国人の事例を中心に、さまざまなトラブルケースを取り上げ、背景にある認識の食い違いを解説する。日本人と外国人材それぞれの価値観や特徴を比較した上で、外国人材と働く上での基本的な考え方や、外国人材への効果的なファシリテーション方法、伝わりやすい業務指示など、外国人材マネジメントの勘所を詳解していく。

  特に本書後半、第7章「外国人が働きやすい職場のつくり方」と第8章「外国人スタッフの育成において大切なこと」は、外国人材の活用を見据える企業としては必見の内容だ。外国人部下の行動を「常識外れ」だと感じたとしても、当人にとっては日本人上司の行動のほうが「信じられない」場合も多いと理解する必要がある。国籍や人種の違いといった“目に見える多様性”からさらに一歩進み、考え方や価値観といった“真の多様性”を尊重する職場作りを進めていくために、本書をご活用いただきたい。

 



外国人の部下を持ったら読む本

内容紹介

外国人との付き合いで最低限知っておかないといけないことを解説

〇外国籍の部下を持つマネジャーは、何らかのトラブルに直面。自らの常識や価値観に照らし合わせると、考えられないことが起こるためだ。
〇本書は、多国籍人材との付き合いで最低限知っておかないといけないことを解説。
〇外国人スタッフは、1人ひとり、個性を持った異なる人間なので、一般的な特徴を踏まえながらも決めつけず、対話を重ねて、お互いを知り合うことをおすすめする。