2021年10月22日掲載

BOOK REVIEW - 『課長2.0 リモートワーク時代の新しいマネージャーの思考法』

前田鎌利 著
プレゼンテーションクリエイター、書家 
四六判/344ページ/1500円+税/ダイヤモンド社 


BOOK REVIEW 
人事パーソンへオススメの新刊
 コロナ禍でリモートワークが進み、「社員が全員職場に集まって働く」ことが当たり前でなくなった今、多くの管理職が"リモート環境でどのように部下の状況を把握し、チームを動かしていけばいいのか"と、試行錯誤を続けているはずだ。リモート・マネジメントにおける管理職の役割として、メンバーを細かく管理するのではなく、メンバー一人ひとりが「自走」できるよう育成し、彼らが全力で走れるようサポートするのが重要である。本書ではこの前提の下、リモートワーク時代において具体的にどのようにマネジメントしていくのか、ノウハウや思考法を紹介する。

 第1章では「そもそも管理職とは何か」を改めて整理し、続く第2章では、マネジメントで欠かせない「インフラ」の部分として、メンバーとの信頼関係の構築について解説する。その上で、メンバーの「自走力」をどのように引き出すのかを第3章で具体的に述べていく。第4章ではチームの意思決定に焦点を当て、定例会議などで管理職がやるべきことをまとめていく。こうしてメンバーが自走する組織ができあがると、管理職は職場という空間に縛り付けられることなく、自由度高く活動することが可能となる。この進化を「課長2.0」と呼び、第5章では「課長2.0」の新しいワークスタイルを提示する。

 著者は携帯電話販売会社でキャリアをスタートさせ、その後ソフトバンク等で移動体通信事業に従事してきた。ソフトバンク時代には社内外の複数の事業のマネジメントを任されるなど、必然的にリモート・マネジメントの技術を磨くことができたという。そんな著者の経験が豊富に詰まった本書は、現在リモート・マネジメントに悩んでいる方だけでなく、これからの時代に備えて、すべての管理職に一読いただきたい一冊である。

 



課長2.0 リモートワーク時代の新しいマネージャーの思考法

内容紹介

リモートワークで「課長」の仕事は変わった。
コミュニケーション、会議、意思決定など、新時代に対応した「課長2.0」とは?


リモートワークが一般的になるなか、これまでのマネジメントでは結果が出せない「課長」が増えている。離れた場所で働いているメンバーに、どう働きかけて、チームとして結果を出すのか? 会議、意思決定、コミュニケーション、人材育成、目標達成など、新時代に対応した「課長2.0」のマネジメント術を紹介する。
リモート・マネジメントという難問に対応できた時、管理職は、職場に縛られる制約から解放され大きな可能性を手に入れられる。放っておいても自走するチームをつくり、リモートでも結果を出す課長の30原則を紹介する。