2022年01月14日掲載

BOOK REVIEW - 『新たな雇用・勤務環境下の源泉徴収の要否 ―Q&Aで理解する判断のポイント―』

阿瀬 薫 著
阿瀬税理士事務所 代表 
A5判/376ページ/2500円+税/税務研究会出版局 


BOOK REVIEW 
人事パーソンへオススメの新刊

 働き方改革や新型コロナウイルス感染症の拡大を契機として、多様な働き方への対応が求められる時代となった。雇用環境の変化に伴い、在宅勤務費用や通勤費、各種福利厚生費の取り扱いなど、源泉所得税の実務においてもさまざまな論点が生じており、対応を検討する実務担当者も多いだろう。本書では、国税庁の源泉所得税関係事務に長年従事した税理士の筆者が、令和3年7月1日現在の法令・通達および筆者が執筆時までに入手した情報に基づいて、源泉徴収の要否を判断する上でのポイントを270問のQ&Aにまとめている。

 1章「新たな雇用環境と源泉徴収」では、源泉徴収要否の判断ポイントを再確認した上で、居住者・非居住者の区分等について見ていく。続く2章「新たな勤務環境と源泉徴収」は、在宅勤務や通勤、ワーケーション、宿泊先で借りたワーキングスペースの費用など、勤務環境に関連して生じる費用について解説する。3章「現物給与の源泉徴収」は制服や福利厚生施設の利用等のテーマを扱い、4章「年末調整」、5章「退職給与」、6章「報酬料金」と続く。7章「非居住者等所得」では、「退職して帰国した外国人の住民税負担」「学生のアルバイト代」などの例を網羅する。

 必要なケースのみを探して読み進められるほか、各Q&Aの末尾には関係法令や通達番号が明記されているため、原文に当たって確認することもできる。巻末には「年末調整のための人的所得控除等の要件と控除額の概要」「年末調整で各種控除を受けるための申告書と税額計算の流れ」についての参考図表があるため、毎年の年末調整の作業時に活用いただきたい。給与や税務の実務担当者の必携書である。

 



新たな雇用・勤務環境下の源泉徴収の要否 ―Q&Aで理解する判断のポイント―
内容紹介

在宅勤務やテレワークといった新たな雇用・勤務環境に伴い生ずる源泉所得税の各種取扱いを含め、源泉徴収の要否を判断する上でポイントとなる給与、報酬などの人的役務に関するQ&Aを取りまとめる
●「働き方改革」や新型コロナウイルス感染症の拡大を契機として、在宅勤務や複数拠点からの通勤など、人々の働き方が多様化しています。
●雇用や勤務を取り巻く環境の変化に伴い、源泉所得税の実務でも、在宅勤務手当や通勤費、各種の福利厚生費の取扱いなど、新たな論点が生じてきています。
●本書は、これら新たな雇用・勤務環境下において生ずる源泉所得税の各種取扱いを含め、源泉徴収の要否を判断する上でポイントとなる、給与、報酬等の人的役務に関するQ&Aを取りまとめました。
●年末調整や退職給与のほか、報酬料金や非居住者等所得など、人的役務の報酬に関するQ&Aを幅広く収録し、源泉所得税の実務に携わる方々の必携書です。
※本書は、令和3年7月1日現在の法令・通達、及び著者が執筆時までに入手した情報に基づいています。