2022年02月01日掲載

労働基準法の基礎知識 - 労働契約の種類・期間

労働契約の種類

 労働契約は、①期間の定めのないものを除き、②一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、原則3年を超える期間について締結してはならないとされています。一般的な労働契約は、ここにいう期間の定めのないものに該当するでしょう。
 一定の事業の完了に必要な期間を定めるものとは、たとえばビルの建設のように、4年間で完了する土木工事に4年の契約で雇い入れるものをいいます。このように、有期事業であることが明確であれば、3年を超える期間を定めた労働契約を結んでも法違反とはなりません。

3年を超える契約期間が認められるもの

 上記のような有期事業のほかにも、3年を超える契約期間が認められているものがあります。それは、①高度な専門的知識等を有する労働者との間に締結される労働契約、②満60歳以上の労働者との間に締結される労働契約です。
 ①②のいずれかに該当する者については、最長5年までの期間、労働契約を結ぶことができます。

有期労働契約に関する紛争の防止策

 期間の定めのある労働契約(有期労働契約)については、雇止め(「退職の手続き」参照)などの問題がたびたび生じていました。そこで、このようなトラブルの防止や解決を図るために「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」(雇止め基準)が定められました。
 具体的には、①有期労働契約を更新しない場合には、少なくとも契約期間満了日の30日前までに雇止めの予告をすること、②労働者が雇止めの理由について証明書を求めた場合には遅滞なく交付すること、などが盛り込まれています。

有期労働契約をめぐるトラブル防止のために
(雇止め基準)

この解説は『初任者・職場管理者のための労働基準法の本 第4版』より抜粋しました。労務行政研究所:編 A5判 192頁 2,035円
(URL:https://www.rosei.jp/store/book/9123
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