2022年02月01日掲載

労働基準法の基礎知識 - 時間外労働・休日労働

時間外労働

 36協定を結んでいれば、その協定の範囲内において時間外・休日労働をさせても労基法違反とはなりません。たとえば、時間外労働の上限を「1日3時間、1カ月30時間」と協定していれば、ある1日について2時間の時間外労働をさせることも可能です。そのかわり、同じ2時間の時間外労働であっても、もしその1日を含む1カ月にすでに30時間の時間外労働をさせていた場合には、1カ月30時間の枠を超えることから協定違反となるため、認められません。
 なお、時間外労働のうち、午後10時から午前5時までの労働を深夜労働といい、満18歳未満の者を働かせることができないなどの制限があります。

休日労働

 使用者は、労働者に対して、原則として、毎週少なくとも1回の休日(法定休日)を与えなければなりません(「休日の与え方」参照)。法定休日に働かせる場合には、休日労働に対する割増賃金(135/100以上)の支払い義務があります。
 週休2日制を採用している企業が週2日の休日のうち1日を出勤させても、法にいう休日労働には当たりません。ただし、この1日についても休日労働扱いとして割増賃金を支払うことは、当然可能です。

災害発生等の対応時には

 地震や風水害、火災などの災害への対応のほか、サーバーへの攻撃によるシステムダウンへの対応といった事由が発生した場合には、事前に所轄労働基準監督署の許可を受けることにより、例外として、36協定の有無にかかわらず時間外・休日労働をさせることができます。あくまでも「災害その他避けることのできない事由」などの臨時の必要がある場合ですので、急に忙しくなったというだけの理由では認められません。
 また、割増賃金の支払いの義務まで免除されるものではありません。

時間外労働・休日労働のとらえ方

この解説は『初任者・職場管理者のための労働基準法の本 第4版』より抜粋しました。労務行政研究所:編 A5判 192頁 2,035円
(URL:https://www.rosei.jp/store/book/9123
初めて労働基準法を学ぶ方に最適の1冊!
担当者として管理者として知っておくべきポイントに加え、職場で起こりがちな問題は、「実務に役立つQ&A40」で実務に即して解説しています。