労働日・労働時間の特定が必要
1年単位の変形労働時間制を導入するためには、労使協定において次の要件が必要になってきます。
①対象となる労働者の範囲を定め、
②対象期間(その期間を平均し1週間当たりの労働時間が40時間を超えない範囲内で労働させる期間で、1カ月を超え1年以内の期間)を規定し、
③特定期間(対象期間中の特に業務が繁忙な期間)を定め、
④1日10時間、1週52時間を限度とし、かつ、連続して労働させる日数の限度が6日となるように、
⑤対象期間における労働日およびその労働日ごとの労働時間を規定し、
⑥労使協定の有効期間を定め、
⑦この労使協定を所轄の労働基準監督署に届け出ること
対象期間における日または週の労働時間を、その期間の途中で変更することはできません。ただし、この変形労働時間制は対象期間が長期にわたるので、対象期間を1カ月以上の期間ごとに細分化して、労働日および労働日ごとの労働時間を特定することができます。最初の期間以外の各期間については、その期間の初日の30日前までに、それぞれ具体的に定めれば足ります。
1日10時間、1週52時間が限度
対象期間における労働日数の限度は1年当たり280日で、1年に満たない場合は「280日×対象期間の暦日数÷365日」となります。
対象期間内に連続して労働させることができる日数の限度は6日、特定期間内に連続して労働させる日数の限度は1週間に1日の休日が確保できる日数とされます。
特定された週における1日の労働時間の限度は10時間で、1週間の労働時間の限度は52時間です。ただし、対象期間が3カ月を超えるときには、さらなる制限があります。
対象期間の区切り方
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この解説は『初任者・職場管理者のための労働基準法の本 第4版』より抜粋しました。労務行政研究所:編 A5判 192頁 2,035円 |