2022年02月10日掲載

BOOK REVIEW - 『事例でわかる 人事労務担当者が知っておくべき副業・兼業対応の実務』

佐保田藍、小鷹寛美、森田穣治、阿部俊彦、吉田爵宏、今井礼子、吉川那央 著
株式会社わらじee、みらいコンサルティンググループ 
A5判/208ページ/2700円+税/第一法規 


BOOK REVIEW 
人事パーソンへオススメの新刊

 政府が働き方改革を推進し、働き方の多様化が進む中で、副業を認めたり、副業人材を受け入れたりする企業も多いのではないだろうか。厚生労働省による「モデル就業規則」や「副業・兼業の促進に関するガイドライン」の改定も進み、今後も副業に関する取り組みは広がっていくことが考えられる。本書は、社会保険労務士の資格を持つ複数の執筆者が、副業における留意事項や制度運用上のポイントを分かりやすく解説したものである。

 1章「副業とは」では、副業の定義や形態、目的や効果について説明し、続く2章「副業を取り巻く環境」では、各種統計資料や民間調査を基に副業のトレンドを俯瞰(ふかん)する。本書で特に紙幅を割く3章「企業が知っておくべき、副業に関する法的ポイント」は、副業におけるトラブルを未然に防ぐためのポイントについて、情報漏洩(ろうえい)や労働時間の取り扱い、社会保険などの観点から解説するとともに、副業人材を受け入れる際のフローや報酬設計などを詳細に説いている。

 4章「事例でわかる副業に関する問題とその対応方法」では、"本業に支障が出る""人材流出のリスク""社会保険・労働保険の手続き"等に関する、人事担当者が実務で直面するであろう26の事例を想定し、それぞれにコンパクトな解説を付している。さらに、巻末には副業規程例、副業許可(変更)申請書、誓約書などの各種書式があり、WEBサイトからダウンロードも可能だ。全体を通じて、実務におけるポイントが凝縮されていることはもちろん、2022年1月から施行された「雇用保険マルチジョブホルダー制度」など最新の情報も織り込んでいる。本書を片手に自社の副業施策を検討してみてはいかがだろうか。

 



事例でわかる 人事労務担当者が知っておくべき副業・兼業対応の実務

内容紹介

副業における労務管理上の留意事項を、さまざまなフェースで確認し、解決することができる!

中堅・中小企業の人事労務担当者向けに、知っておくべき副業・兼業に関する法的なポイントについて解説。また、実務上起こりやすい問題とその解決方法について、具体的事例を通して解説することで、副業・兼業への適切な対応ができるようになる1冊。