2022年02月25日掲載

BOOK REVIEW - 『図解 組織開発入門 組織づくりの基礎をイチから学びたい人のための「理論と実践」100のツボ』

坪谷邦生 著
株式会社 壺中天 代表取締役、株式会社アカツキ 人材マネジメントパートナー 
280ページ/2600円+税/ディスカヴァー・トゥエンティワン 


BOOK REVIEW 
人事パーソンへオススメの新刊






 2020年5月に上梓された『図解 人材マネジメント入門 人事の基礎をゼロからおさえておきたい人のための「理論と実践」100のツボ』は、見やすさ・分かりやすさを追求した特徴的なデザインとコンセプトによって、人材マネジメントの全体像を捉えることができる書籍として好評を博した。この「100のツボ」というコンセプトを引き継ぎ、組織を活性化させる(=組織に血を通わせる)「組織開発」について解説するのが本書だ。

 全体の構成としては、「組織開発」「チェンジエージェント」「サーベイ・フィードバック」「対話型組織開発」などのテーマごとに10のChapter(章)があり、各Chapterでは10のツボ(ポイント)が取り上げられる。一つ一つのツボは、左ページが解説・右ページが図解と実践に向けたヒント――という見開き2ページで簡潔にまとめられており、気になるツボを「つまみ食い」することも可能だ。また、各Chapterの後には、ツボのおさらい、著者からのメッセージ、おすすめ書籍の紹介、コラムが添えられており、一歩進んだ理解へのサポートも充実している。

 本書の特徴の一つは、Chapter 5以降だろう。Chapter 5~7、10では、人事で広く知られている書籍『学習する組織』『ティール組織』のほか、世界的ベストセラーである『ビジョナリー・カンパニー』、日本で最も有名な経営書『知的創造企業』の続編である『ワイズカンパニー』といった名著をかみ砕いて説明している。また、Chapter 8~9では、米国企業のザッポス社が実践する「デリバリング・ハピネス」とリクルート社の「心理学的経営」を紹介。このように、さまざまな研究や企業事例も丁寧に解説されていることから、領域が広く、捉えどころのない「組織開発」を体系的に理解できるのではないだろうか。

図解 組織開発入門 組織づくりの基礎をイチから学びたい人のための「理論と実践」100のツボ

内容紹介
学習する組織、ティール組織、ビジョナリーカンパニーからワイズカンパニー、心理学的経営、デリバリング・ハピネスまで。
組織に血を通わせる、この1冊

◎組織開発の理論と実践を体系的にまとめて収録
◎経営者・マネジャー・一般社員……立場に応じた解説付き
◎Q&Aと図解で、気になるところからすぐに読める!