伊達洋駆 著
株式会社ビジネスリサーチラボ代表取締役
A5判/352ページ/定価3200円+税/すばる舎
株式会社ビジネスリサーチラボ代表取締役
A5判/352ページ/定価3200円+税/すばる舎
BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ 「最近、仕事に対して熱意を持てていない」「入社して早々に新人が辞めてしまった」「テレワークで意思疎通がうまく図れない」――。こうした会社内にありがちな人や組織の課題解決に向けて、本書は「組織行動論」の研究知見を基に再現性の高い施策のヒントを提供する。なお、本書において紹介される「組織行動論」とは、会社の中の従業員の心理や行動について探求する、経営学の一領域を指す学術分野である。
■ 例えば、「よくないアイデアだと皆が内心思っていても、気づけば、それが採用されている」現場に遭遇した経験はないだろうか。こうした状況を招く要因である「本音を言いづらい雰囲気」を解消するための考え方として、「心理的安全性」が近年注目を集めている。ある研究によれば、心理的安全性が高いチームほど、仕事のパフォーマンスや創造性、仕事や会社への満足度が高いことが明らかになっている。心理的安全性を高めるためには、マネジャーのリーダーシップを向上させたり、周囲からのサポートを与えたりすることが大切だという。
■ 一方で、心理的安全性が高まってコミュニケーションが活発化するあまり、「サボり」が生まれる、話が広がりすぎて議論がまとまらない、「結果が出れば何をしてもよい」といった非倫理的な行動が横行するといった、望ましくない事象が起こる可能性も高まる。本書の特徴は、こうした科学的なアプローチによって生じる望ましくない「副作用」にも言及している点だ。取り扱われるテーマは、「エンゲージメント」「クリエイティビティ」など44項目にわたる。人事・労務担当者はもちろん、チームリーダーやミドルマネジャーが読んでも役立つ知見が見つかるはずだ。
内容紹介 上司と部下の関係性を改善したい、従業員の自発性を高めたい、評価に対する不満を解消したい……。企業やチーム、個人によくある44項目の課題を取り上げ、「組織行動論」の研究知見を基に、対策とその副作用を解説する。 |