広江朋紀 著
株式会社リンクイベントプロデュース 組織開発コンサルタント/ファシリテーター
A5判/200ページ/1800円+税/明日香出版社
株式会社リンクイベントプロデュース 組織開発コンサルタント/ファシリテーター
A5判/200ページ/1800円+税/明日香出版社
BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ 破壊的な変化が当たり前となった現代では、「ファシリテーター型リーダーシップ」が必要だと著者は説く。これは、リーダーが1人で率先するリーダーシップではなく、メンバーの力を引き出して、組織・チームが協働しながら課題の解決に向かっていくよう支援・促進するリーダーシップのスタイルを指す。本書は、組織開発の専門家として約20年、延べ5万人に対し1万5000時間を超える研修やワークショップを実施してきた著者が、ファシリテーター型リーダーシップに必要な「場のつくり方」を解説した書籍である。
■ 本書では、五つのSTEPから成る場づくりサイクルが紹介される。前提となるSTEP0では、場づくりサイクルを実行するための土台となる「心理的安全性」の確保方法を見ていく。そして、STEP1からSTEP4まではそれぞれ「拡散」「混沌」「収束」「実装」と呼ばれる段階で、章ごとに各STEPの内容を詳細に取り上げ、適切な場づくりを行うための技術や、成功を妨げる「罠」への対処法を紹介している。一例として、アイデアを絞り込む「収束」の前には、"産みの苦しみ"を意味する「混沌」の段階がある。ここでは、さまざまな意見がぶつかる混沌を避けて、予定調和に逃げてしまう"回避の罠"が存在するという。この罠にはまらないためには、混沌の場に遭遇したときにはあえてコントロールをいったん手放し、その場で起こる意外な反応などにも好奇心を向けてみることが必要だとしている。
■ リーダー養成のために、管理職向けの研修を実施している企業も多いと思われるが、その内容は時代に即してアップデートされているだろうか? 本書は、求められるリーダーシップの在り方を今一度見直し、組織力の更なる向上を実現するための一助となるはずだ。
内容紹介 絶え間なく変化する現代において、リーダーに求められる役割は、率先してメンバーを導くリーダーから、メンバーそれぞれが持っている個性や強みを最大限に発揮できるよう支援するリーダーへと変わりつつあります。 |