廣川 進、下村英雄、杉山 崇、小玉一樹、松尾智晶、古田克利 編
A5判/420ページ/5500円+税/金剛出版
BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ 「ワーク・エンゲイジメント」「コーチング」「自閉スペクトラム症」「セルフ・キャリアドック」――。人事労務担当者としては、このような「一度は耳にしたことがあるものの、いざ他人に説明しようとなると難しい」と感じる言葉に、仕事中に触れる機会は少なくないだろう。本書は、こうした人とキャリアを取り巻く諸問題を専門に扱う「キャリア・カウンセリング」に関する重要用語について、168人の専門家による書き下ろし解説をまとめた、日本初のキャリア・カウンセリングの総合辞典である。
■ 本書の構成は、「メンタルヘルスケア」「キャリア形成支援」「カウンセリングの理論と方法」「組織と人的資源管理」「資格と法制度」の5章から成り、403の用語を紹介している。例えば「ワーク・エンゲイジメント」とは、「仕事に誇りややりがいを感じている(熱意)、仕事に熱心に取り組んでいる(没頭)、仕事から活力を得ていきいきとしている(活力)の3つがそろった状態」と基本的な定義を紹介した上で、従来のメンタルヘルス対策の文脈にとどまらない、活力ある職場づくりという観点からの向上策まで掲載している。内容は1項目を1ページで読みやすく紹介し、関連用語のつながりをたどりやすい章立てとすることで、キャリア・カウンセリングについての総合的・体系的理解が促進されるようにしている。
■ 仕事中に分からない言葉が出てきたら、辞書としてその都度参照できるのはもちろん、興味があるテーマや項目を通読すれば、体系理解を深めることにも役立つ。例えば「キャリア形成支援」の章では、「社会的意義・倫理」「キャリア理論」「自己理解」「仕事理解/啓発的経験」など10の中項目が設けられているため、自社のキャリア支援策を検討する上で、関心に合ったテーマを見つけることも簡単だ。また、キャリアコンサルタントや公認心理師などの資格取得を目指す人は、学習中に分からない用語を調べて、関連する用語を体系的に広げて知識量を増やすこともできる。
内容紹介 「キャリア」、「カウンセリング」の分野はもちろん、「メンタルヘルス」から「人事・組織」「法制度・資格」まで、キャリア・カウンセリング、キャリアコンサルティングに必要な分野を網羅した403項目を168人の専門家が書き下ろした日本初のキャリア・カウンセリングの総合辞典! |