日本メディメンタル研究所(株式会社JPRON)所長 医学博士/産業保健コンサルタント
四六判/256ページ/1500円+税/総合法令出版
BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ ストレス過多の時代といわれる現代において、企業が従業員個々の精神面、体調面の管理・フォローアップを行う「メンタルヘルス・マネジメント」の考え方が重視されている。本書は、産業医として長年活躍してきた著者が、従業員の精神疾患の事例、職場復帰のステップやフォローアップなど、メンタルヘルス・マネジメントへの取り組み方を、人事担当者や管理職に向けて具体的に紹介していく書籍である。
■ 第1章では、企業におけるメンタルヘルス・マネジメントの必要性について解説し、第2章では、メンタルヘルス不調かどうかの判断基準やメンタルヘルス不調の従業員への接し方などについて具体例を挙げながら紹介している。第3章では、休職期間中にすべきこととして、企業側の対応と休職者本人の留意点を詳しく列挙する。例えば、"休職中に仕事を思い起こさせるようなメールの送付は禁物"など、複数のポイントが示されているため参考になるだろう。続く第4章では、「復職可」の診断が出た後の対応や試し出勤について解説し、最後の第5章では、復職後のフォローアップと再発予防策に触れている。
■ 産業医として数多くの事例を見てきた著者は、「メンタルヘルス・マネジメントの要は上司と人事である」と説く。従業員に対する上司のマネジメント意識がまず肝心であり、人事もそれを理解して、万一の際には支援する体制を整えることが重要だ。自社の管理職はメンタルヘルス・マネジメントについて正しい知識を持っているだろうか? 具体例が豊富に掲載された本書を研修等で活用し、管理職や人事担当者のメンタルヘルス・マネジメントスキルを向上させてほしい。
内容紹介 従業員の心身の健康管理責任が企業に問われる今、精神疾患に対するマネジメント――つまりメンタルヘルス・マネジメントは不可欠です。 |